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遅くなりました。 修正点があれば、直ぐに直します。問題でしたら、却下でも構いません。 ――――――――――――――――――――――――― 静かなエンジン音と賑やかな作業音を立てながら、小型のポテトハーベスタが、ゆっくり進む。 72p幅の畝に30cm間隔で植えられているジャガイモが、手作業よりも早く掘り取られ、イモを傷つけないようにゴムで覆われたコンベアの上を転がりながら、小石や小粒のイモと分離して収穫されて行く。 たけきの藩国の国境地帯。街道に面した山の斜面に開墾された段々畑で、冬植えのジャガイモが収穫中だった。 「今年のジャガイモ、豊作ですね」 「ジャガイモは、肥料が無くても育つぐらいじゃからな」 たけきの岳の噴火は溶岩がゆっくりと流失して滅多に大爆発しない、玄武岩質の溶岩。それが長年の雨で浸食されて、国内は大規模な農地よりも中小規模な農地の方が多い。 最近は新規に加入する国民も増えて、たけきの藩国の各地では新たな農地が開墾され、農業生産を増大させていた。 「来年こそ、米が植えたいなぁ」 「本当。イモも良いけど、やっぱり米だね♪」 たけきの藩国の主食は、言うまでも無い事であるが米。 但し、農地で最初から米造りは難しい。農地には農作業の障害となる小石や、樹の根などが残留している。 往年であれば、数年は粟などを栽培しつつ日々の手入れで小石などを取り除き、樹の根が除去されるか腐敗するのを待ってから、生産性の高い野菜に移行して、最終的には稲作に進む。 最近は農機も発達しているので、土を細かく砕く砕土やディスクハローや、地面を篩にかけて石を除去するセパレータなどを搭載した農業用トラクターが存在するのだが……。 時期が、既に田植えの季節を過ぎていた事が大きかった。 「実際、作業は大変だったなぁ……」 原生林の伐採と撤去が、一番の大事だった。 「畦や土手をコンクリートにした時には、景観が良くないから反対が多かったなぁ」 「確かに石垣に比べて、草むしりの手間がいらないのは助かるし……」 「水漏れの手当ても必要ないんだけど、土圧で畝ごと壊れたら意味ないし」 農機が運営できる段々畑にしようとすると、どうしても山の斜面を大きく削り、ノリ面は急角度にする必要がある。 水捌けや耐久面を考慮すると、実はコンクリートにするよりも古風な石垣の方が頑丈で風光明媚なのだが。 当時、農地で作業に当たった「龍の使い」の某氏が、 「将来は石垣に改めるとしても、今は食糧増産の為に短期間で農地の造成を優先しましょう」 と言う事で、鉄筋とコンクリートを多用して農地を造成したのだ。 実際、棚田や段々畑を撮影に来る写真家や観光客からは不評だった。 「本当、風情がないよね」 「でも徐々に石段にするから、しばらくは我慢すればいいよ」 工期短縮の為に軍事用の速乾セメントやH形鋼とか溝形鋼を農地造成に流用した事で、通常よりも遥かに短時間で農地が造成された。 「何でも、軍用資材の余剰品だったんだって。もう要らない処分待ちの品だから使えって、藩王様が許可されたとか」 「凄く早い工事だったね。……でも、これ何れ撤去しちゃうんでしょ? 勿体無くないの?」 「もう、充分に減価償却ずみだから。数年の耐久性はあるし、その間に少しずつ石垣にするから」 雑談している間に、作業は進む。 「イモも良いけど、来年こそは米♪」 その日、彼方此方の農場では異口同音に、この言葉が口にされたと言う。 ――――――――――――――――――――――――― [No.3067] 2008/05/30(Fri) 23:49:45 |