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たけきのトンデモ武闘伝 たけきの藩には 四季 折々の自然がとても美しいと有名な神社があった。たけきの神社である。 春は桜が、夏は木々と小川のせせらぎが。秋は紅葉のモミジ、冬は雪化粧の本殿が。 そうそう、秋には下界での稲作による稲穂の海を見ることもできる。 あと、本殿は木と紙でできた家なので冬はかなり寒いです。防寒対策万全にしてないと本殿に入っても、寒さで酷い目にあいます。 とまぁ、観光地として評判の神社だが最近、風光明媚な自然以外での話題が流行っていた。 「たけきの神社の奥の小道を抜け、木々や岩肌が入り組んだ地を進みでた場所にある絶壁の向こうに伝説の訓練場がある」と。 「そこは鬼神といわれるような武の追及者たちが集う場所で、常人には信じれない力と動きを持つ者同士が互いを高めあっているのだ」などと。 その噂は近頃たけきの神社付近でよく起きる怪音からきた噂であった。火山の噴火音とも雷の音とも違うそれを聞いた者は多く、そこから様々な噂が流れていたのだ。 所詮は噂であり、多くの人々はこの噂が面白いから語っているだけだろう。 だがしかし、この噂は真実であった。 真実を知るものが流したのか、ただのあてずっぽうが当たったのか定かではないが、今もたけきの神社のはるか奥にて拳を交える者らがいたのである。 「いくぞぉぉ、【必殺・拳撃波】!!」 若い東洋人であった。身にまとうのは龍の描かれた東洋風の拳法服。顔は笠に隠れて口元しか見えない。ただその口は笑みを浮かべていた。 その若者は掛け声とともに変な決めポーズの後、足を大地に踏ん張り、全力を込めて拳を前へと突き出す。 それは大気がうなりをあげて震えるほどの渾身の突きであった。 だがしかし、それだけではなく。 あぁ何という事か。 修練によって鍛え上げられたであろうその拳は、空気を凄まじい勢いで前へと押し出す。 その目に見えぬ空気の塊は、まるで弾丸のように。いや、大砲の如き轟きを伴って前方へとうねり走る。 若者の前方に存在した大岩がその被害者となった。 轟音。 爆裂。 そして砕け散った大岩の破片が辺りに突き刺さる。 本来若者に狙われていなかった大岩は、まさに被害者といえる。 彼が狙っていたのは大岩などよりも小さい、人間だ。 「くふふふふふ。修練を積んだにしては詰めが甘いな、若造。我に掠りもせなんだぞ。」 それは若者よりかなり年をとった老人で、若者と同じ拳法服をまとい、笠もかぶっていた。長く垂れる髪は黒々としているので初老といった感じであろう。 だがしかし、その笠は老人のセリフが終わると共に真っ二つに割れ落ちた。 「・・・なんと、我の【流水分身】を潜り抜けておったか!」 「師匠。今日の私は昨日よりも。明日の私は今日よりも強くなっているのですよ」 じつはこの二人、会話をしながらも微妙な動きで体を揺らしていた。 この動きこそが師匠と呼ばれた老人の言う【流水分身】なのだ。ゆるやかな分身を伴って動いているように見せる技らしい。これにより、敵の目を混乱させる防御技なのだろう。 「だぁがぁしかぁぁぁし。ワシは貴様にまだ負けはせんんんんんん!!」 老人もこれまた変な動きと変なポーズの後に地面を蹴り、天高くへ飛翔した。 「喰らうがいい、我が【必殺・昇竜逆鱗脚】!」 「く、太陽を取られた!?」 若者からみれば老人は上空の太陽に位置し、その姿を捉えることは不可能であった。 「だが、空中から方向転換はできまい!」 若者は素早く現在位置から退避し、師匠なる老人がついさっきまで居た地点より向こうへ走った。 「甘いわ、若造! いまだ貴様に教えぬ技もあるわ。【奥義・空中蹴り】!!」 なんと老人は何も無い空中にて蹴りを放ち、その蹴圧によって方向転換をきめた。若者が見せた地上での拳圧技とは違い、踏ん張る場所もない空中でのその蹴圧は、まさに神業であろう。 というか、人間か? そのまま老人は下界の若者の頭上へ蹴りと共に舞い降りた。 「【秘奥義・反転逆鱗脚】!」 「ぐあぁぁぁぁぁぁ」 なんとその蹴りは、大地をクレーター状に打ち砕き、地盤をも大きく沈みこめる威力。 若者はなんとか直撃を免れたものの、そのダメージは甚大であった。 「うはははは。我が弟子よ、そこまでか」 大見得を張る師匠。 対して若者は瀕死。 「ならば、止めを刺してくれよう。はぁぁぁぁぁ」 老人は、他人が見たらかなーり変な動きを前動作として(手足をなんだか、ふにゃらーふにゃらー、として)から、両手を竜のアギトのように組み合わせた。 「【最大奥義・竜牙掌】!!!」 それはぶっちゃけ、組み合わせた両手を前に突き出しながらの突進。 とはいえ、その走りは土煙を上げるほどで、突進の後に残るのは凄まじい足裁きにより、耕されたかのような地面。 これはかなり危ない。 若者は流水分身をするだけの力も残っていなかった。 だがしかし、彼の口元から笑みが消えることは無かった。 「甘いのは貴方だ、師匠ぉぉぉぉぉぉぉ」 残った力を振り絞り若者は右手を前へ上げる。対して左足を後方の地面 へ伸ばし、しっかりと踏みしめる。 そして。 大地に雷が落ちたかのような音が鳴り響き、その後には静寂が訪れる。 数秒間の沈黙。 「ククク、カウンターか。良い判断だ、我が弟子よ」 若者の右手からはいつのまにか、暗器の虎の爪が服の裾から見えていた。 あのまま突進を続ければ、師匠なる老人はどうなっていたことか。 だが老人は一歩手前で大地を蹴り抜き、己の脅威の突進を踏みとどめたのだ。 満足げな老人は若者へと優しい口調で語りかける。 「さて、ワシは宮廷へ戻る。弟子よ、お前はどうする?」 「・・・戦場へ」 「そうか。生きていれば、また手合わせをしたいものだな」 /*/ 要点、周辺環境、全クリア。 [No.3442] 2008/08/02(Sat) 21:49:31 |