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職場から、今日は参加できないので応援の気持ちを駄文SSで。 ――――――――――――――――――――――――――――― たけきの藩国、地下。更正施設。 外は晩夏を迎え、夕暮れの蝉時雨もツクツク法師が物悲しくも風情のある唱歌を挙げている頃。 念願かなって、今や目出度く一人っきりで取り残された人物がいた。 そう、竹戸 初である。 と言うか、本当に「取り残されて」、と言うか「忘れ去られて」いる可能性が無きにしも非ず。 (お腹……空いた) この所、食事の差し入れが無い気がする。体力の消耗を抑えるべく右手を下にして床に横たわり、冷静に呼吸を乱さない事に努める。本当は思考も休めておきたいのだが、段々自制心が崩れかけている。 (まさか、本気で忘れられてたりして?) (前に投獄されていた面々は餓死しかけたって言っていたな…。) (これ、絶対に忘れられている!) しかし、考えるだけ無駄どころか、心気を乱して心身を消耗させるだけだから、何とか抑えようとしても出来なかった思考の迷走も、遂には終わろうとしていた。 生命の根幹とでも言うべき、空腹感が全てを圧倒しつつある。 (…お腹…空いた…) (最後に…なに、食べたっけ…) (つぅ〜か、水…喉かわいた…) (今なら、伝説の紫カレーでも食えるぞ…) (いや、絶食後に下手に食べたら死ぬぞ!) (知るか! 最期に何か食わせろ…) (…うう。処刑ならともかく、うっかり忘れられて餓死なんて…) (…お腹…空いた…) 思考がこの程度で堂々巡りしている。この分だと、まだ余裕はありそうだった。 [No.413] 2007/08/29(Wed) 18:30:04 |