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どん、と堅い物体にぶつかった様な衝撃で竹戸 初は覚醒した。 「……ぁぁ~っ。ふんふむふむ」 まどろんでいる半覚半醒の欠伸じみた声が、現状を理解した者の頷きに変わる。 もっとも、この場に彼を除いて、同意を得るべき者は不在なのだが。 先程の衝撃は、船端に波頭が衝突したものだ。 「たけきの川の河口沖ぐらいに留まっている予定だったんだけどなぁ……」 たけきの岳の豊富な栄養を海に運ぶ河口付近は、河水と海水が入り混じる為に漁場としても恵まれている。故に古来から漁港が河口付近に設けられ、現在まで利用されている。 非番の休日に、手漕ぎの釣り舟を一人で借り、自分で櫓を漕いで久々に釣りを愉しむ竹戸。その時点では、陸地から泳いで帰れる沖より彼方に出る予定は無かったのだが……。 (居眠り、してしまうとは……不覚。と言うか、どうしよう?) 現在位置は、河口どころか海底鉱山の所在地すら越えて、灯台の島に近づきつつある。 (外海に出ると、帰れなくなる!) さぁ、と蒼褪める。現状を把握すべく、呼吸を鎮める。 頭には日除けの竹笠。着衣は栗梅色の着流しで袴は無し。手には山繭の釣り糸をつけた三間竹の釣竿。足には革足袋と竹編み草鞋。腰には脇差のみ。 その他、財布、手帳と筆記用具、着火装置、雨具、扇子、手巾、懐紙など。 お弁当に用意した、竹の皮で包んだお握りと梅干、竹筒のお茶。 「イザとなったら、手帳を燃やして救助を呼ぼう!」 ……等と言いながら、せっせと櫓を漕ぎ出す。 但し。漁港に向かってではなく、灯台の島に向けて。 今は引き潮、素人が抗っても抗し切れない。消耗して事態を悪化させるだけ。むしろ、灯台島に上陸して満ち潮になるまで待つべきだと判断したのだ。 「しかし、釣れないねぇ……」 灯台の島に上陸。舟が沖に流されたりしないように陸(おか)に上げてから、転寝(うたたね)したり、お握りを頬張りながら過ごす事、数刻。 ただ、全く釣れなかった訳でもない。誇るに値しないだけだ。 「本日の漁果は、僅かに三匹……」 確か、少し前が産卵時期じゃ無かったかな? この種類が、そうかどうかまでは知らないのだけれど。 「酷い事だが、元々は食事として御命を頂くのは、それだけで酷い事に変わりは無いから」 魚篭の中、未だに口をパクパクさせている漁果に合掌する。 「もしも、人食い鮫に合掌されても嬉しくないし、納得は出来ないだろうけれど」 自嘲しつつ、舟を出す。既に陽は西に傾いているが、まだ夕刻には間がある。 「……旬では無いが一応、高級魚だし。捌いて刺身にして明日には食べ頃として、骨酒にして……皆にもお裾分けして……」 満ち潮と順風に乗って、竹戸は帰っていく。久々の休日を満喫して、帰宅後の予定を思い描きながら。 魚篭の中には、本日の漁果として河豚が三匹。 ―――――――――――――― 思いつきのネタですが、お粗末様でした。 次の方、どなたでもどうぞ♪ [No.915] 2009/06/05(Fri) 07:13:01 |