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#物産展用のSS2点です。 SSその1:「いつもの準備風景」(作:結城由羅) 実は、世界忍者国には特産品が多い。リワマヒ国には負けるものの、共和国の中で上位の農業国として、特産品の開発にこれまで力を入れてきた。主力のトウモロコシと固有の果物ベマーラ以外にも、米やそれから作られる清酒、そして人狼領地を特産地とする小麦やそれから作られるビール、牛・豚・鳥の肉やそれらを加工したハム・ソーセージ類、美味しいものが沢山ある国なのである。 「あーいい匂い」 お祭りがあるというのではるばるレンジャー連邦までやってきた世界忍者国のエド・戒が、トウモロコシの粉を水で溶いたものを鉄板に丸く流し込みながら、それが焼ける香ばしい匂いにうっとりとしている。この薄く焼いた皮で、色々なものを巻いて食べるクレープのような料理は、昔からFEGなどで好まれていた。 「こっちもいい匂いですよー」 人狼領地特産のホルスター・インという名の牛の肉――そのロースの部分をタレに付けた物をやはり鉄板でじゅうじゅう焼きながら、よだれの垂れそうな顔で弓尾透がエドに声をかけた。この焼いたものを、レタスやスライスしたトマトと一緒にエドが焼いている皮で包んで売る予定なのだ。 「今日は共和国中から人が来るからねー じゃんじゃん焼いてねー」 お祭りには目のない藩王結城由羅がうきうきと楽しそうに指示を飛ばしている。 「ん、これはなかなか…」 その横では、白銀優士が役得とばかりにベマーラブランデーの試飲をして、舌鼓を打っていた。ベマーラブランデーは代用燃料の開発時に副産物として生まれたもので、現在藩国でイチオシの新特産品である。すでに羅幻の商人が目ざとく見つけて、大量に買い付けていったが、尋軌などはさらにその販路を伸ばそうと考えているらしい。宣伝のために試飲コーナーブースが作られ、グルメが趣味な白銀がここを担当することになっていた。 「飲み過ぎちゃダメですよー」 いつものように経理担当としておつりの準備などをしながら、川流鐘音がそちらへ釘を指す。 「やー痛んでないかチェックしてるだけですよ」 白銀の補佐としてブースについているみはえるが、頬をほんのりとピンクに染めながら、言い訳がましく声を返してきた。 「荷物こっちですかー?」 人狼産ビール「WOLF BEER」の缶が詰まった段ボールを多段に積んだキャリーカートを松永がごろごろと引きずってきた。 「あ、こっちに倉庫あるから、お願いー」 配送の指揮は摂政の久堂尋軌が一手に仕切っている。常々国内の配送をしている彼の手腕はプロ級である。 「こっちこっちー」 荷物の管理をしている可銀が倉庫からひょっこりと顔を出して松永に手を振った。その後ろでは、荷物を抱えた松葉と徒理流が慌ただしく走り回っている。 「パネル展示コーナーの設営はほぼ終わったぞ」 今回は技術紹介のパネルコーナーを担当している濃紺が、いつものようにクールに顔を出す。 「ちょっどうして俺の格好はこんなんなんですか!」 準備にばたばたする皆の元へ、上ずった声を挙げて神崎零が飛び込んできた。皆の視線がそちらに集中し、そして固まる。 「…似合ってると思うのねう」 初めに口を開いたのは由羅だった。それに周囲が三々五々頷く。 「似合ってます」 「似合ってるな」 「ばっちり!」 くぅが、野菜をすさまじい勢いで切りながら、いい笑顔で親指を立ててみせた。そのはずみで、野菜がこぼれそうになるのを、逢瀬みなおが慌ててボールで受ける。 「似合ってないですよ!!!!」 神崎がその姿――メイドの衣装でぶるぶると震えた。 「えーかわいいのに」 「その格好もなかなかだな」 「…えっと、給仕されたいです…」 お皿を準備している優羽カヲリにほんわかと言われて、神崎はがっくりと肩を落とした。カヲリの後ろでは、あんぐら2と匪がこの国にはよくあること、とスルースキルを全開させて、黙々と皿を並べている。 「なんでいつもこんな格好ばっかり……」 神崎の後ろから現れた真神貴弘が、やはりとてもいい笑顔でその肩を叩いた。 「それが、お前の運命だ」 「ちがああああう!!!」 さらに後ろから現れたすでにばっちりメイド服を着こなしたソーニャが神崎の首根っこを掴む。 「あきらめるのねう」 「いやだあああああ!!!」 そんなある意味いつもの情景を、なかだいがにこにこしながらカメラに収めていた。 /*/ そして祭り当日、世界忍者国ブースにとてもかわいい女装メイドがいるというのが話題になったという。 # SSその2:「世界忍者国その女装の歴史」(作:桂林怜夜、編:結城由羅) ――女装。 遥か昔、女性でしか参加できないイベントの為に、藩国の男性全員が女装したのが世界忍者国における女装の始まりであった。それは懐かしくもレンジャー連邦に関わるイベントだった。 しかし、本格的に広がったのはハンターキラウィッチのアイドレスの登場からである。このアイドレスを着用するためには、男性は女装しなければならない―――――という事情があったからなのだ。 そう、世界忍者国の女装は初めは友誼の為に、そして次は仕事の為だったのだ。 そして今。 「チーフ、今度のお祭り用に女性のメイド服の注文が入りました!」 「うむ。アイドル用はSサイズ、女性用はMとLか。30着ずつくらいか?」 「そうですね。今回もメンズが30着ほどです」 「わかった。いつも通り女性用は藩王サイズ、男性用は神崎サイズで見本を送っておいてくれ。ご贔屓にしてもらってるサービスだ」 「わかりました。サービスですね」 ・・・・・というわけで、25%ほどが女装用になっているのであった。 尚、裏ご神体としてロジャー子像が国のどこかに隠されているらしく、男性が女装する際には、こっそり同じ服を着せ、任務の無事な成功を祈願するらしい。 [No.7645] 2011/12/11(Sun) 19:19:07 |