最近、といっても少し前 僕はついにエボニーSV6×9を買い求めた。 エボニーSV6×9は6×9判の木製カメラだ。
今更、どうして6×9判などを、と思われるのが一般的だ。 僕はこのカメラに精神性を求めた。 決して合理性を求めたのではない。
もっとも、精神性を求められるほど 経済的にゆとりがあるわけではない。
それでも、僕は6×9判を手に入れた。
まだレンズは一本も買えないので、 まずは、ハッセルのレンズを装着しようとした。
ハッセルのレンズをつけるために ホームセンターで売っているアルミ板を リンホフボードの大きさに切って、 それにサークルカッターで円を開けた。
その昔、僕の祖父は、リンホフボードを貧弱なベニヤ板で作っていた。 軽い4×5判用レンズなので、ベニヤ板で十分だった。 彼の使っていたのはイギリス製のノーコートのレンズだった。
ハッセルのレンズは思いので、僕はアルミ板を使った。 ベニヤ板と比べたら恐ろしく頑丈だ。 加工はもっと簡単にできるかと思ったが、 サークルカッターでやってみると、とんでもなく苦労した。
でもその甲斐あって、 エボニーSV6×9にハッセルのレンズが装着できるようになった。
ハッセルのレンズは6×6判用だが イメージサークルが大きく、 6×7判くらいはカバーするだろうと言われていた。
そして、実際にエボニーSV6×9に装着してみると 見た目では50mm以上のレンズなら ほぼ6×9判をカバーしているように見える。
ただ、仔細にピントグラスを拡大して見てみると 周辺で像面湾曲のためか、 ピントがかなり甘くなっていることがわかる。
果たしてこの周辺のピントの悪さが 絞れば解決するのかどうか、気になるところだ。
もし改善すれば、イメージサークルだけで見れば、 50mm以上のハッセルレンズは 6×9判で使える。
ただ、当初より期待していたディスタゴン30mmf3.5と40mf4は 残念ながら6×7判もカバーしない。
ただ、僕が作ったものでは、シャッターはないから 長時間露出時のみに使い、キャップをシャッター代わりにする。
それでも、ディスタゴン50mm以上を 6×6判の制約から開放できるかと思うと 晴れ晴れしい気持ちがする。
あとは、6×9判のレンズがほしい。
ひとまず、明日、 シュナイダーのスーパーアンギュロン38mmF5.6XL がやってくる。
またしても、特殊なレンズからスタートする。 しかし、このレンズがだめとなると、 僕にとっての6×9判の意義そのものが無くなる。
僕にとって6×9判の意義とは ハッセルのビオゴン38mmf4.5(6×4.5判で約78度)よりも広い 画角を中判で撮ることにあった。
ビオゴン38mmは6×6判で撮ると、スカッとするレンズだ! しかし、これを6×4.5判程に直して、 ポストカードやプリントにすると 首を切った生き物のように、生命を失うように僕には感じられる。
だから、僕はビオゴンと同じようなレンズでもっと だだっぴろく写せるレンズがほしかった。 胸がスカッとするほど、思いっきり広い広角レンズ。
今回思い切って買ったスーパーアンギュロン38mmF5.6XL は画角100度を越えると思う。 35mm判に換算すると、約16-17mmくらい。
これだと、ニコンやキャノンの14mmよりも 少しせまいのではないかと、思われるだろう。
しかし、僕にとってはある都合のために 15mmと19mmの中間画角が得られるレンズを探していただけに この16-17mm程度というのはちょうど良いのだ。
ただ、このレンズ周辺減光がきつそうだ。 どれくらいきついのか、絶望的なのか、まあまあ我慢できるものなのか、
僕は以前同じくスーパーアンギュロンの47mmに 驚いているから、少々のことでは驚かない。
ともかくも、端正に撮るのが目的なら ハッセルで撮ればよい。 もっと広く、目が覚めるほど広々と、撮りたいのだ。
胸がスカッとするほど広く、空と大地の広がりを! |
No.814 - 2011/07/12(Tue) 01:25:46
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