注射針の規格で、G(ゲージ)という記号を見たことはありますか ?
このG(ゲージ)というのは、注射針の太さを示す単位で、数字が小さくなるほど太さは逆に太くなります。
お尻に筋肉注射をする時は普通、23G(外径0.63mm)〜21G(外径0.81mm)の注射針を用います。
※ 外径〜針の外側の直径。薬液が通る管の内側の直径は「内径」と言います。
ところが、お尻に筋肉注射をするのに18Gという太い注射針を使う場合があります!
18Gの針というと外径が1.26mmあり、通常は献血や輸血の際に使われます。献血された経験のある方は、静脈にすごく太い針を刺されたと思います。あの針ですね。
この18Gの針は、インフルエンザなどの予防注射(皮内注射)の時に使われる26G(外径0.45mm)の針に比べ、太さが約3倍もある極太の注射針です。
最近感染が増えている梅毒の治療では、薬品名・ステルイズというペニシリン系の注射薬をお尻に筋肉注射することが標準の治療法です。このステルイズの筋肉注射の時に、18Gの注射針を使うのです。
その理由は、薬液の粘性(ねばつく性質)が高いので、注射針の中で薬液がつまらないように、太い注射針を用いるということなんですね。
輸血や献血に使うような極太の注射針をお尻にブスリと突き刺されたら激痛でしょうね(T_T)
ただし、ステルイズ筋肉注射の良いところは、初期の梅毒ならお尻に一回ブスリと注射するだけで治療が完了することです。痛くても一回で終わるならガマンする気持ちになりますね。
YouTubeにそんな太い針でステルイズをお尻に注射する動画がありました。
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男性の患者さんのお尻にステルイズを筋肉注射しています。
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こちらは若い女性のお尻にステルイズをブスリと筋肉注射します。
こっちの女性患者さんはすごく痛そうで、注射されて「いっっ!」と声が出ていますね。
皆さんはこんな太い注射針で注射されないように梅毒感染には気をつけてください。
でも、もし感染してしまったら、1日も早く診察を受けて素直にお尻に痛い筋肉注射を受けてくださいね。