----- 妖魔に係わる淫靡なファンタジー「巡査長 美咲」第2章 第1節をアップしました。 ----- あれから約一ヵ月後、山科は美咲と真辺と交代交代ペアを組んでいた。 捜査内容が簡単なときは美咲、少し複雑な事件になると真辺とペアを組んだ。
真辺とは、真辺真奈美、22才。 短大を卒業してすぐこの六係に配属になった三年目。
おちゃらか美咲とは違い、静かな謎めいた女性だった。 少し暗いように思えるが頭はいい。 女の直観力が働き、たまにすごい推理を見せる。
今日は真辺とペアを組んでいた。 そのさなか、聞き込み調査をしていると山科の携帯が鳴った。
「なんだよ、このクソ忙しいときに・・・」 見ると署からだった。
「ハイ、山科です。 あっ、はい、課長、・・ハイ・・・ハイ・・・えっ?・・今からですか? ハイ・・・えっ? 本当ですか? 岸上さんも担当されたと思うんですが・・・ハイ・・ハイ、じゃぁ真辺さんは・・ハイ、わかりました。今から行きます」
「真辺君、すまん、どうやら一ヶ月前に銀座ホステスの変死体があっただろう。それが蒲田署管轄でも起きたらしい。応援に俺と美咲さんが呼ばれて、課長も手が空いたから来るって。それで真辺君だけど、蒼井さんが来てくれるので駅の喫茶店で待って欲しいって」
「わかりました。山科さんって美咲さんと仲がいいんですって?」 「そんな噂たってんの? 勘弁してって。誰から聞いた?」
「いえ、私がそう思っただけです」 「勘弁してくれよ、真奈美ちゃん。ほんと、それだけは、ネッ、頼むよ」
クスクス笑うだけの笑顔を真辺はみせた。 可愛い顔してるけど、なんとなくこいつ、やっぱり怪しい・・・ ----- |
No.8264 - 2017/11/23(Thu) 20:25:12
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