私が子供だった頃、(おっと、最初っからNHKの番組タイトルっぽいぞ!笑)美術学校に通っていたんだけど、そこで学んだのは単に美術のことだけではなくて、それを含む現実世界を知ることだったように思うんだね。
今も元気に活躍しておられる恩師から投げかけられる、私たちを取り巻く現実についての鋭い見識に、日々息を呑むような興奮を味わったものでした。
正しく現実を分かっていなければ、芸術の表現活動などは成り立たないと私は今でも考えています。
正確には「正しい現実」ではなくて、可能な限り正確に見つめようということなのですが。
でも困ったことにそれがとても難しいというのが、まず最初の現実です。(笑)
例えば、オリンピックのテレビ番組を見ていて気が付いたのですが、前評判では、あたかも優勝してもおかしくないという勢いで取り上げられた日本人選手が、結果的には決勝戦はおろか、早々と予選で落ちるということがしばしばありました。
テレビ番組を作っている人びとの期待が先行していて、客観的な視点が欠けているのでしょうか。
リアルタイムで見ていないけど、太平洋戦争中に、戦意高揚を目的とした国策映画がたくさん作られたようです。
(アメリカをはじめ、外国では今でも作られているけど。笑)
また、オリンピックを見ていていつも思うことなのですが、せっかくたくさんの国が参加しているのに、他国のことはさっぱり理解できない。
ポーランドやベラルーシはいったいどんな国なのか、知りたいと思うのは私だけなのでしょうか。
その代わり、今回もジャンプの選手たちを「日の丸飛行隊」と、相変わらず呼んでいた司会者がいましたが。(笑)
敗戦の日まで、旧日本軍が勝利を続けたかのような報道をした「大本営発表」を連想してしまうんだね。
あってはならないことだけど、ひょっとして国民が社会のおかしなところを気にしないように、オリンピックを見て興奮するよう誘導しているのかもと疑ってみたくなりますね。
まさか、新聞やテレビがこぞって、そんなひどいことをするわけはないですよね。(笑) |
No.91 - 2010/03/01(Mon) 06:27:17
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