毎度、無駄な知識の覚書で御座います。 今回はエンジンのバルブの話を書いてみたいと思います。
それなりに距離を走っている4サイクルエンジンのタペットクリアランスは、広くなっている場合と狭くなっている場合があります。 広くなっている場合は、バルブフェースやバルブリングにカーボンが附着して十分にバルブが閉じていない場合と、バルブステム若しくはアジャストボルトの接触面が変形、磨耗している場合が考えられます。 広くなっている場合は、クリアランスを狭くするのはその場凌ぎでしかなく、最終的にはヘッドを開けて点検する事が必要になってきます。 空冷エンジンの場合は、タペットクリアランスは多めに取っておいた方が効率は良くなります(私見ですが) 熱膨張によってクリアランスは冷間時より狭くなりますので、冷間時のクリアランスを狭くしすぎた場合はバルブが閉じきらず、圧縮が漏れて燃焼効率が落ちてしまい、トルクの減少、燃費の悪化を招いてしまいます。 メカノイズにはよほどひどい場合以外は、余り神経質にならない方が良いかと思います(オイルによっても解消されたりします)
逆に狭くなっている場合は、バルブシート及びバルブフェースの磨耗、バルブシートの変形が考えられます。 毎分数千回も叩きつけられ、尚且つ燃焼の圧力を受けとめている場所なので、想像以上に磨耗は進んでいきます。 磨耗が進むとバルブフェースの当り面が広くなっていき、俗に言うベタ当りの状態になってしまいます。 そうなると圧力がかかった時の面圧が減少して(同じ力なら手の平よりも指先の方が圧力が高くなるのと同じ)密閉度が落ちてしまい、圧縮が漏れて燃焼効率が落ちてしまいます。 この場合も、バルブが閉じきらない場合と同じ様にトルクの減少や燃費の悪化を招いてしまいます。 O/H時はバルブシート研磨で当り面を修正する事になりますが、修正しきれない場合はバルブシートの打ち変えになります。場合によってはバルブフェース研磨やバルブの新品交換になるときもあります。 開けてみないと分からないのが内燃機関の難しさでもありますね(^^;)
まとめきれていないとは思いますが、ここで一旦区切りとさせていただきます。過不足、間違い等ございましたら突込みをお願いします(^^;)
余談ですが、昔のホンダのエンジンで、磨耗の具合が均一に進み、無調整で数万キロを走ったがクリアランスが保たれていたなんて話を聞いた事があります。本田のおやっさんがご健在だった当時の逸話ですが、聞いた事のある人はいるんでしょうかね?(私の思い違いかも^^;) |
No.553 2004/07/05(Mon) 00:44:48
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師匠、と呼ばせてください! ←偽善的ヨイショなので要注意 |
No.554 2004/07/05(Mon) 11:59:21
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おかげでなぜクリアランスが狭くなってたのか理解できました。 |
No.561 2004/07/06(Tue) 21:26:04
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