02 28. 2011
・あしたは、どっちだ。
  
・la signora
アニメ『あしたのジョー』のテーマ■作詞 寺山修司



サンドバッグに 浮かんで消える
憎いあんちくしょうの 顔めがけ
叩け! 叩け! 叩け!
おいらにゃ 獣の血が 騒ぐ
だけど
ルルルルー ルルー 
ルルー ルルー
あしたは きっと なにかある
あしたは どっちだ



この詩が、なんと、わたくしが敬愛する、あの寺山修司によるものだったということは、
下記に紹介するエッセイとともに、友人に教えてもらって初めて知った。
リアルタイムでアニメ漫画のジョーとともに子供時代を過ごした世代である。
たとえ女の子であっても、この歌はそらで歌える。低い声が出しにくいが、今唄ってもいい歌である。

私は宇多田ヒカルのデビュー以来のファンではあるが、やはり、あの感動の映画の余韻には、
演歌であり、かつソウルのような、このオリジナルのテーマソングのほうが、若干相応しかったように思う。
平成版だよ、というキャッチ―な雰囲気を醸し出すのが目的であれば、成功しているのであろうが。
宇多田ヒカルの発するフレーズは、やはりどこか日本語離れしているのだ。
言葉が直接ボディに響いてこない。サウンドは響いており、胸がザワザワするんだけど。
ザワザワする分、歌詞が良く聞きとれないのが惜しい。
「なんて言ったの、今?」と変に気が散ってしまう。平成の音楽の特徴かもしれないけれど。
彼女のお母さんの演歌はガツンと暗くて、それでいて仄かに蒼い炎が灯っていて、脳天に響いたんだがな…。

昭和のドヤ街には、ちょっとくらい演歌なほうがよく似合う。
できれば劇場では、涙を拭いながら、この歌を聞きたかった。あの綺麗な顔した山下くんが完全にジョーに見え、
あのカッコいい伊勢谷くんが完全に力石に見えている瞬間に、この歌を…。

寺山修司という作家は、おそらく「あしたのジョー」を誰よりも愛した人のひとり、いや筆頭だと思う。
マンガなのにリアルで力石徹の葬式までやってしまった人だ。ある意味狂気じみた愛を抱えている。
下記は、寺山修司のエッセイ『新・書を捨てよ、町へ出よう』からの引用である。

………………………………………………………………………………………………………
力石はスーパーマンでも同時代の英雄でもなく、
要するにスラムのゲリラだった矢吹丈の描いた仮想敵、幻想の体制権力だったのである。
丈の風来橋の下での生活、あの犯罪の日々、交番襲撃から集団窃盗、
そして自分の血を売ってまで丈をボクサーにしようとした
片目の丹下段平への、父性への裏切りといったものが、
しだいに「あしたのために1」といった紙片による学習へと綱領に組み込まれ、
二流の技術のために一流の野性を失ってゆくことになったのである。

「あした」を破産させられたあしたのジョーはどうするか? 
また新しく幻想の敵を獲得し、水前寺清子のように
♪東京でだめなら名古屋があるさ・・・ と うそぶきながら、トレーニングに励むか?
それともスラムへ帰って昔の仲間たちと解放の夢から離れ、暴力団にでもはいるか? 
かつてのチャンピオン小林久雄のように浅草の中を肩で風切りながら、
ときにはテレビのボクシングを見て感傷するか?

力石は死んだのではなく、見失われたのであり、
それは70年の時代感情の憎々しいまでの的確な反映であるというほかはないだろう。
東大の安田講堂には今も消し残された落書きが、「幻想打破」とチョークの痕を残しているが、
耳をすましても聞こえてくるのはシュプレヒコールでもなければ時計台放送でもない。
矢吹丈のシュッ、シュッというシャドウの息の音でもない。
ただの二月の空っ風だけである。
…………………………………………………………………………………………………………

そう、この映画は、二月に公開されなければならない運命にあったのである。
ただの二月の空っ風だけ。それが、ジョーの孤独に見事にマッチする。
2時間にまとめなくてはならないという難しさが、ストーリー展開を急がせてしまうのは仕方がないが、
葉子お嬢様は子供時代の私が知る限り、あんなに感情を露わにはしない。鉄の美女であるべきだ。
この映画を見て、同じ女として残念なことではあるが、ホント、男の世界に女は邪魔だな…。
と思ってしまった次第(女優さんの責任ではなく、ありようとして)。お嬢様のエピソードを10分の1に削って、
ジョーが快進撃を続けて徐々に力石との距離を縮めていくところを、もっとじっくりと観たかった。
2人とともに、夢に向かっていく疾走感、生きている! って血潮が騒ぐ充実感をもっと味わいたかった。
ジョーにとっても、力石にとっても、リングの上でもう一度対決することを夢見て
ひたすらに走っている瞬間こそが、幸せではなかったのか。
幸せは掴んだ途端にシャボンの泡のように消えていく。夢を追っているうちが一番幸福なのかもしれない。

「二流の技術のために一流の野性を失ってゆくことになった」
この寺山修二の言葉は重い。
これも、すべての分野に対して共通して言えることではなかろうか。
もう少し深く考えてみたいテーマではある。

最初、山下くんがジョーを演ると聞いた時、きっと誰もが一度は思うように、
あんなキレイな顔の優男が!? あんなにファンが多い漫画を実写化!? 危険だ…と心配したものだ。
でも、それは完全に杞憂に終わった。あの肉体を観よ。何も言うべき言葉が無いではないか。
映画のPRに全国を引きずりまわされているのを、私は気の毒に思いながら見ていた。
みなまで言うな。あなたたちの素晴らしさ、努力の尊さは一目瞭然だ。
実写映画版『あしたのジョー』は、主演3人のおそるべき情熱により、素晴らしい作品となっている。
観るべし! 観るべし!
そして山下智久さん、ぜひもう一度ご来店くださいませ。今度はお仕事ではなく。
最大のリスペクトをもって、迎えたいです。本当に。

さてと…。
あしたは、どっちだ…★


Update:02 28. 2011 01:50 [No.627]


02 15. 2011
・Se non ora, quando?
  
・la signora
長いことイタリア好きをやっていると、芋づる式にイタリアおたくの輪が広がることがある。
私の知る限り、イタリア好きが高じて、せっせとイタリア通いを始めるようになると、
すべからく人は日本人としてのアイデンティティーに目覚めるようになり、
より日本に、日本人に、日本の文化にも惚れこんでいくような気がする。
イタリアに、イタリア人に、イタリアの文化に首ったけになるのと同じぐらいに。

わたくしも自他共に認める“イタリアおたく”だと思ってはいるが、
単なるイタリアかぶれ、外国かぶれになり下がるつもりは一向にない。
不思議なことに、芋づる式に集まる友人も、皆そんな感じだ。
それぞれに非常によく勉強をしているし、非常にアクティヴに経験を積んでいるし、
それを何かに役立てるべく、伝える術を持っている。

私自身も、たまたま向けられた偏愛の矛先を、可能な限り草の根外交に役立てたい、とも思うし、
今、こうして縁あって、イタリア料理を生業にさせていただいているのであれば、
イタリアの食文化に敬意を表し、できる限り正しくイタリアの食文化を紹介する、
一助となれれば幸いに思う。

わたくしとAtticoさんとの出会いは『ラ・スコリエーラ』の開店とほぼ同時。八年前に遡る。
当店のSHOPCARDやHP内に使わせていただいている、とってもキュートでイタリアっぽくて、
雰囲気のあるイラストを描いてくださった、イラストレーターのカワムラナツミさん
(イタリアに10年暮らしていらした方。ご本人もとってもキュートで雰囲気がある方だ)
が、もたらしてくれたものだった。

Atticoは、イタリアの文化のみならず、日本の文化を紹介することも目的としている。
だから、イタリア語教室やイタリア料理教室のほかに、みんなで歌舞伎を観に行ったりする会もある。
雑誌記者として日本中世界中を飛び回らせて戴いていた時代にも、実はずっとお茶を習っていた者としては、
そのあたりにとっても共感を覚えたのだ。

※「日伊文化交流サロン アッティコ」のHPはこちら!→ http://www.attico.net/

Atticoを主催する村本幸枝さんは、撮影のコーディネートなどを手掛けつつ、日伊を往復している。
こんがりと焼けたブロンザートなお姿が、tipicaイタリアのマダムっぽい、バリバリ元気な40's仲間だ。
彼女から送られてくる活きたイタリア情報満載のメルマガは、わたくしの楽しみのひとつ。
今回、とても胸に迫るコラムがあったので、ここに転載して、御紹介しようと思う。
日々忙しいことを言い訳にして、今やらなければいけないことをずるずると伸ばしている怠惰な私に、
神さまが「渇!」って言ってくださったのかしらん…。「今やらなければいつ?」ホント、その通りだ。
エジプトの民衆も、きっとみんなそんな気持ちで立ち上がったのに違いない。
今日できることを明日に延ばさず、もうちょっと、もう一歩、もうひと踏ん張り、頑張ろうっと…。

……………………………………………………………………………………………
『La Scogliera』が好きだけど、「Attico」はまだ知らなかったというイタリア好きの皆さん!
このメルマガに登録するだけでも、お薦めです★
ちなみに、Atticoの会員さんには、『ラ・スコリエーラ』『八丈島 ゆうき丸』どちらでも、
会員証提示で、食前酒一人一杯サービスという、特典も付いています!

え? なぜ和食の『ゆうき丸』もなのかって? 
それはですねー、『ゆうき丸』にはうちの石橋マネージャーがおりますゆえ、おそらく都内で唯一の、
「イタリア語でお魚の説明ができる和食店」だからなのです(笑)。
旨い刺身・鮨・天ぷらがあり、足も伸ばせる掘りごたつ式座敷の個室。
イタリア人接待にぴったりなことこの上なし! な和食店だからなのですわー。

実際、Atticoの皆さんには、何度イタリア人のお客様をお連れいただいたことか。
イタリア関係の輸入業の皆さん、映画関係、通訳業のみなさ〜ん!!!
刺身がおいしい『ゆうき丸』は、イタリア人接待に使えまっせー。ぜひぜひお見知りおきを!(笑)

…って、前置きがやたらと長くなってしまいましたが、そろそろ、
Atticoの村本さんによる、ローマからの便りをお楽しみください。

……………………………………………………………………………………………
【引用元】Atticoのメルマガ(2/14配信号)
Se non ora, quando? 『今じゃなかったら、いつ?』
……………………………………………………………………………………………

事の発端はイタリアで誰もが知る『ルビー事件(Caso Ruby)』。

昨年、盗難でミラノ警察に拘束されていたモロッコ人で、自称ダンサーのルビーちゃん
(当時未成年、不法滞在者、本名カリマ・エル・マフルーグ)を釈放するようにと、
ある日、ミラノ署に連絡をしてきたのは政府筋の人間でした。

その理由は『彼女がムバラックの姪だから』というもの。
電話口に出た担当警察官『ムバラックって誰だ?』(苦笑)
政府筋『エジプトの大統領だろ!』と苛つき気味に応答。
(もちろんそんなの嘘。政府筋がそんな嘘をついていいのか?)

そして、政府筋からルビーの後見人として送られ、
警察署に彼女を迎えに来たのはロンバルディア州の女性執務官でした。
(彼女もずっと昔はベルルスコーニ首相の歯のお掃除を担当していた歯科衛生士 (当時25歳)
だったらしい…)

でも、なんでそんな小さな事件に政府が関与するのか…、
という疑問は当然残り、そこから再び浮上したのが一連の首相の未成年売春疑惑…。
もちろん、首相もルビーちゃんもその関係については否定しています。

さらに続く、首相の『若くて奇麗』であることが女性の価値を決めるような言動、
『女は金持ちを見つけて結婚するのが一番』といった発言に、
もうこれは、政治とか、政党とか、国策とか、お騒がせ首相のレベルの問題じゃなく、
女性の尊厳そのものを傷つける一大事だ! と、
女性映画監督クリスティーナ・コメンチーニが音頭を取り、
『今じゃなければ、いつ? (Se non ora, quando?) 』グループを創設。

女性が記号化・商品化されつつあること、
長年に渡って獲得してきた女性の人権が後退への道を辿りつつあることへの危機感をインターネットで訴え、
ベルルスコーニ首相辞任を求める署名と抗議集会への参加を呼びかけたのでした。

という流れで、昨日2月13日、
イタリア主要都市の広場にはベルルスコーニ首相に対して辞任を求める多くの国民が集まり、
平和的な抗議集会が行われたわけです。
一部の報道によれば、イタリア全土で100万人以上の人々が集まったそうです。

私も多くの友人たちに誘われ、昨日14:00にポポロ広場へ向かいました。
私が到着した頃はすでに広場はものすごい数の人々で埋め尽くされていて、
人をかき分けながら広場の中央に進むのがやっと。

政治的な集会ではないと謳われていた通り、左派も右派もフェミニズムもなく、
インテリ層も、主婦も、キャリア組も、男も、女も、老いも、若きも、
子供たちまでもが参加するパワルフな集会でした。

政治的な意図や思惑がなく、純粋な同じ目的を持って集まった人々がつくるパワーは感動的です。
今ここで何とかしなければ、本当にこの国は駄目になる、
という想いと危機感がひしひしと伝わってきました。

ヨーロッパでは『それはおかしい』と思えば、一般市民が団結し、御上に物申し、
自分たちの生活を向上させるべく広場に降り立ち、声をあげます。

私自身、日本でこういった集会に参加したことはありませんが、
イタリアでは(少なくとも日本より圧倒的に)『署名』や『参加』を求められることがあります。
だから、普通に生活していても、とくに気にはしていなくても、政治や人権問題に目が向きます。

平和的解決を好む、声を荒立てて騒ぎ立てないのが日本人の特徴でもあり、良き面でもありますが、
長年、海外に暮らしていると、日本人も時にはもっと熱く、自分の意見を主張してもいいのでは、
と思うことがあります。私たちはちょっと『クール』過ぎるかもしれません。

そうそう、この抗議デモは、実は東京(イタリア文化会館前)でも行われたんです。
在日イタリア人女性会が集まったそうですが、TVの映像ではほんの少人数によるものだったよう。

参加を呼びかけた在日本のベアトリーチェ・ロンバルディさんがインタビューで応えていた
下記のフレーズが印象的でした。

Se non si inizia da qualche parte, non si va da nessuna parte.
どこかで誰かがはじめなければ、私たちはどこにも行けない。

アッティコ・ローマ
村本幸枝


Update:02 15. 2011 20:13 [No.626]


02 15. 2011
・pupazzo di NEVE!
  
・la signora
昨晩の雪は凄かったですね〜。
うちでは『ラ・スコリエーラ』のディナー付き!「おいしいイタリア語教室」を開催していたので、
signoraもMassimo先生のアシスタントとしてお店の中にいたんだけど、
テラスの天窓から白いものが舞い始め、見る見るうちにザンザン積もってったから…。もうびっくり!
アブルッツォ州出身のMassimo先生は、雪が結構珍しいらしく興奮気味。
♪犬は喜び庭駆け回り♪ じゃなくって、♪Massimoは喜びテラスではしゃぎ♪
i-phoneで雪景色を激写してましたわ〜★ ホント、日本人のギャルみたいなんだから…。

皆さんをお見送りした後、わたくしも撮影しよっかなー、と思ったんだけど、
「暗いし、明日の朝のほうが、朝日にキラキラ輝いてキレイかも★ 明日の朝、雪だるまを作ろう!」
と思って保留しちゃったら、朝になったら溶けちゃっていましたねー。残念! 雪だるまも作れず。
…ということで、6年前ぐらいに雪が積もった時に、うちのスタッフが作った、
懐かしのミニミニ Pupazzo di Neve(雪だるま)の写真でお茶を濁します。今見ても、可愛いでしょ?


Update:02 15. 2011 20:08 [No.625]


01 25. 2011
・タコを抱えて微笑む宇賀ちゃん。
  
・la signora
標題通り、タコを抱えて微笑む宇賀ちゃんです。
抱えているのは、もちろん、最高級の佐島の活けタコ。
旨いです。

宇賀ちゃんは、シェフになって、とても頑張っています。
クオコのみんなにも慕われて、厨房の雰囲気が、なんかイイ感じです。
詳細は、ぼちぼちUPしつつある「スタッフ紹介」を読んでね♪
ますます応援ヨロシクです!!!


Update:01 25. 2011 05:40 [No.622]


01 05. 2011
・Buona Epifania !
  
・la signora
Ciao〜!
昨夜からすっごく寒いけど、でも太陽に当たるとぽかぽかもするし、今日は気持ちの良いお天気ですね!
新メンバーになりまして、皆、張り切っておりますので、わたくしも早くHPを更新しなくては!
い、いましばらく、もうちょっとだけお待ち下さいましね…☆

明日はエピファニアの日。イタリアでは、子供の祝日。
長かったNatale休みの最後を〆る、祝日です。
今日・明日のご挨拶は、「Buona Epifania〜!」です。

『ラ・スコリエーラ』では、今週いっぱいを「エピファニア週間」とし、
船長が昔南イタリアで買ってきてくれた、べファーナお婆ちゃんのお人形を3体飾り(ぜひご注目を!)、
ご来店のお客様全員に、ちょこっと炭風のPiccoloチョコレート菓子をサービスいたします★

本日が初日の宇賀神シェフ以下、英気を養ってきたフレッシュな活きのイイ笑顔で(笑)、
みなさまをお待ちしております。ぜひぜひ、お越しくださいませ。

みなさま、佳いエピファニアの日を。本年もよろしくお願い申し上げます♪


Update:01 05. 2011 11:50 [No.621]


01 01. 2011
・あけましておめでとうございます!
  
・la signora
Felice Anno Nuovo!
あけましておめでとうございます!
旧年中は大変たくさんのお客様に支えられて、本当にありがとうございました。
新年は、5日(水)のランチから始動いたします。
今年は、八周年の年。
八丈島の“八”、末広がりの“八”、ですよ〜★
今年の干支の兎のごとく、もっともっと跳躍できるように頑張りマス!
新年も、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

南イタリア魚介料理『ラ・スコリエーラ』


Update:01 01. 2011 00:23 [No.620]


12 27. 2010
・べファーナお婆ちゃんについて。
  
・la signora
わたくしの大好きな Buon Natale! という挨拶をする時期もついに終わりをつげ、いよいよ年の瀬ですね。
『ラ・スコリエーラ』は、今日明日は通常モードで、29(水)・30(木)は土曜祝日と同じ営業時間となります。
独立して新潟でお店を開く山田シェフと、主婦になるカメリエーラのSatokoは、年内いっぱいで卒業なので、
みなさま、もしよろしかったら、最後にもう一度、会いに来てやっておくんなさいまし。

ところで。
昨日、お客様に言われたのです。「あらー、まだツリーが飾ってあるー。嬉しいわねぇ」
あ、そうだった、そうだった。よいところに気が付いてくださいました。
当店は「正しきイタリアおたく」を自認しており、イタリアの風習通りに行っているんでございます。
毎年同じ話を聞かされている方は個の後ろは読み飛ばしてくださいませ。
エピファニアって何? べファーナお婆ちゃんって? と興味のある方は、
過去の日記を転載しておきますので、どーぞご覧くださいませ。

…………………………………………………………………………………………………………
イタリアでは、クリスマスの飾りは、12月8日の「インマコラータ(聖母無原罪のお宿り)」の日に飾り、
1月6日の「エピファニア」(御公現)の夜に外す、という決まりがあります、本当は。
正しいオタクの道を邁進せんとする『ラ・スコリエーラ』では、Natale(X'mas)を過ぎましたので、
魔女のべファーナお婆ちゃんのお人形(もっちろんイタリア製。船長さんがナポリで購入しました)を三体、
エントランスにブラブラぶる下げています(可愛いお婆ちゃんと、怖いお婆ちゃんが混在しています・・・)。

1月6日は、エピファニアの日です。イタリアの(というよりカトリック諸国の)クリスマスの行事は、イブに始まり、このエピファニアまで続きます。エピファニアとは、難しい言葉で言うと、『救世主の御公現の日』。イエスの誕生のお告げを受けた東方の三博士が、お祝いの貢ぎ物を捧げに、はるばる訪れたとされている日です。宗教画なんかで、観たことありますよね? 

イタリアでは、5日の夜に、暖炉があれば暖炉のそばに、なければ家の中のどこかにあらかじめ靴下を吊るしておき、6日の朝になるとあら不思議、良い子供にはお菓子やおもちゃが、悪い子供には炭がプレゼントされてしまいます。プレゼントをするのは、サンタじゃなくて、ベファーナという魔法使いのお婆ちゃん。鷲鼻にしゃくれた顎、魔法のほうきにまたがった、典型的な魔女が煙突からやってきて、子供達がいい子にしていたかどうかをジャッジしてしまうわけです。

どこかで聞いたことありますよね、そんな話。「わるいごはいねが〜」。そう、まさにイタリア版なまはげ!? 子供たちが炭をもらってしまうことを案外本気で怖がっているところも、そっくりかも! 戦前、Babbo Natale(サンタクロース)がまだイタリアには根付いていなかった時代には、べファーナがプレゼントを子供達に渡していたのだそうです(なんだ、こっちの方が古いんだ!) だいたいどの家でも、お婆ちゃんがその役を担当して、昔は本当に靴下に石炭を入れたりもしていたと、私のイタリアのホームステイ先のお婆ちゃん、“Lo Scoglio”のゴッドマザー、Antoniettaが言っていました。

イタリアの子供たちは、ナターレで散々爺婆パパママからプレゼントをもらった上に、エピファニアでまたもやお菓子やおもちゃをせしめます。もちろん、クリスマスプレゼントのような豪華なものではなく、もう少し軽めのものにするものらしいのですが…。日本の子供たちも、クリスマスでプレゼントをもらった直後、お年玉もがっぽりもらうのですから、こういう二重取りの構造もよく似ていますよね。爺婆が孫を甘やかしすぎなところも…。

ベファーナお婆ちゃんの登場に関しては諸説ありますが、
実際のところは、昔から民衆のお祭り(子供のお祭り)としてあったエピファニアの日に、
祭りの主人公を作り上げるためにベファーナお婆ちゃんをあとから登場させたのだろうと思います。
ちなみに「ベファーナ」という名前は、「エピファニア」が訛って「ビファーニャ」になり「ベファーナ」になった模様。

このエピファニアが終わったら、やっとこ長かったナターレ週間が終わります。
ひたすら食べ続け飲み続け、体重増加必至の、おそるべきクリスマス休暇が…。いわゆる正月太りですな。
La Scoglieraでは、新年のエピファニア週間のドルチェには、炭型のお菓子が出るんじゃないかな〜?
良い子にはおいしいdolceを、悪い子には炭を。
果たして、良い子にしていたかどうか、あなたもドキドキ、試してみません…?


Update:12 27. 2010 15:42 [No.619]


12 25. 2010
・御ミサ。
  
・la sognora
今日は、クリスマスイブであった。
イタリアでは、皆の罪を贖ってくださったジェズー(イエス)様を忍んで、本当はお肉を食べない日である。
だからこそ、『ラ・スコリエーラ』の肉なし魚介類三昧のメニューは、イタリア人に言わせると、
「わわっ、Natale(クリスマス)前夜のご馳走みたい!!!」ということになるらしい。

signoraは、パスクワ(復活祭)にはよく教会に行くのだが、ナターレは繁忙期なのでなかなか行けない。
行くとしたら25日の朝だったのだが、今年はなぜかイヴの夜のほうが体が空いたので、行かせて戴いた。

運よくキャンドルサービスがある回。素敵な演出だ。イヴなので、神父さまたちのお召し物は白一色だ。
ああ、さすがイヴの御ミサ。素人が多いなー(かく言う私もそーなんだけど・笑)。
だからいつもより、“祝福”を受ける人が多い(つまり洗礼を受けていない人の参加率が高い)。

ところで、私は実は讃美歌が好き。久しぶりに讃美歌を口ずさむと、心がスッと洗われるような気がした。
全部好きな歌ばかりだったけど、最後の讃美歌は、もちろん「もろびとこぞりて」。
♪主は来ませりー、主は来ませりー、主はー主ーは来まーせーりー♪
音楽が途切れた直後に、美しい鐘の音が力強く鐘が鳴りだした…。♪ガランガランゴロンガララン…♪

ああ、今日まで生きてこられたことに感謝。みなさまに感謝。乗り越えてきた様々な試練にすらも感謝。
お客様に感謝。来てくださって本当に感謝。そして、今日も頑張って働いてくれているスタッフに感謝。

みなさま、クリスマスおめでとう。素晴らしいNataleになりますように。
父と子と聖霊の御名によって。アーメン。

Luna di argento con stelle dorate,
gnomi, folletti e fatine incantare,
una pioggia d'auguri ed un pensiero dorato per un BUON NATALE e Anno Fortunato!


Update:12 25. 2010 00:15 [No.618]


12 25. 2010
・嬉しいメール★
  
・la signora
Buon Natale, tutti!
今日は、お客様から戴いた嬉しいメールをご紹介させていただきます。

………………………………………………………………………………………
昨日初めて伺いましたが、とてもいい夜になりました。
野菜と魚がこんなに美味しいなんて、すごく感動しました!!!
とってもおいしかったなぁ…
彼と、また来年のクリスマスはここがいいね、と話しています。

お料理も絶品でしたが、担当してくれた女性が最高な接客でした。
笑顔も話し方も気の配り方も、私が目指したい憧れの女性でした。
素敵な方に出会えて、心も胃の中も満たされた夜になりました。
ありがとうございました。

スタッフのみなさま、また美味しいお魚食べにいきます!!
絶対いきます!!!!!

きっと今日も明日も明後日も大賑わいでしょう(^O^)♪
きっと皆様、楽しんでお仕事されてると思います。

必ずまたお伺いします! 母を連れて!!!
よいクリスマスを過ごしてください。
秋山さんの笑顔がもう一度みたいです(>_<)
………………………………………………………………………………………

Iさん、素敵なメールをありがとうございました♪
そうなんです、satokoは、今月いっぱいで当店を卒業します。
寂しいですが、彼女の新しい門出を祝いに、みなさま年内にぜひもう一度お越しくださいませ★
年内は〜30日(木)までの営業デス。お待ちしておりマス♪

Buon Natale! e Felice Anno Nuovo!






Update:12 25. 2010 00:03 [No.617]


11 17. 2010
・山田シェフと尾長鯛。
  
・la signora
山田シェフと尾長鯛と後方に神本くん(只今『八丈島 ゆうき丸 銀座本店』にて修業中)のスリーショット。
尾長鯛は八丈島近海で獲れる、白身の王様と言っていいほど旨い魚だ。
当店では、この尾長鯛で作ったアクアパッツァが看板メニューなので、
Buonricordo協会のお皿の絵になっている(船長が裸で漁をしている図)。
尾長鯛はアクアパッツァにしても旨いが、今は冬に向かっているので、あまりよいプチトマトが手に入らない。
なので、実はメディテラーネア(地中海風煮込み)とか、香草オーブン焼きなどのほうがお薦め! だったりする。

シェフと尾長鯛はわりと仲良しなので、シェフは遠慮しないでよく本人(本魚か?)に聞いている。
「ふむふむ、今日は煮てほしいのね」 「そうか、君は焼いた方が旨いのか!」
シェフたちは、その声に従って、一生懸命腕をふるうのである。

TVの取材のときには、照れてあんまり巧くしゃべれないシェフであるが、食材とは饒舌に会話を交わすのだ。
ホントだよ。嘘だと思ったら、一度食べにいらしてね。


Update:11 17. 2010 00:16 [No.616]


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