親がいない生い立ち。どこか空虚で欠けているキダ、ナオト、ヨッチ。中学で出会ってからいつも一緒だった。ナオトはマジックを交えたいたずらが大好きでそのころから自分をドッキリストと言っていた。 キダもナオトもヨッチが好きだった。ヨッチは2人とも大好きで、だから先に告白してきた方とつきあうって決めてて、ナオトがタッチの差で先だったというわけだ。
さて、大人になった。自動車整備工場で働くナオトとキダの前に現れた金持ちのわがまま娘、リサ。犬を轢きCENSOREDしまった車を内緒で修理してと金を積んでやってきた。ナオトはキダに告げる。
「あのオンナをものにする。世界は一日で変わるものだ、世界を変えてやるぞ」
そう、ドッキリストとしてナオトはそのために長い年月をかけて金をかき集め、貯めて、企業家になり、成功してみせるのだ。 キダは殺し屋?いやいや、そのガタイのよさを活かして交渉人、といえば聞こえはいいが、ちょっとやばい世界の・・・まぁ脅すに近い交渉屋。 ナオトの「プロポーズ大作戦」とやらに加担することになり、リサに近づく男はことごとく裏から手をまわし撃退する。 そして、リサは本当にナオトの恋人に。
最高のシチュエーションでプロポーズ大作戦を敢行する。
ずっと読者はドッキリストのナオトがリサという金持ちの女をものにする過程だろうと読んでいる。 ヨッチは出てこないけど、頭の良い女子だったし、きっとそれなりに彼らと離れた別の人生を歩んでるのかな、とも。
ところが本当に。驚きの展開、真相、まさに本当の意味でのドッキリ。そして、プロポーズ大作戦の言葉の真の意味・・・・。 わかったとき、驚きの悲しみと切なさが。
明るく軽快に読み進めてきたがゆえに、その衝撃は大きく、そして再び前の方からページを読み直すと、ああ、と伏線とも取れるような、本当の意味が次々と判明して、・・・胸がじんと痛む。
うん、ヨッチ、あなたはナオトのおかげで永遠に残ることになったと思うよ。そしてナオトと共に。どうか指輪をあちらの世界でもらって、幸せになって。ラストでキダもそちらに行くような気配を感じさせるんだけど・・・もし本当に悲しいことにそうなったら・・・今度は三人絶対離れないでね・・・なんてね、願わずにいられない。
油断して読むとやられちゃう。そんなすごい一冊でした。
no.706
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