一言で言おう。かっこいい。ハードボイルド。でも切ない。
殺し屋の世界はかくも切ない。 復讐は復讐を産む連鎖。 どこかで断ち切らねば終わらない絶望。
ハムレットというコードネームの東洋人男性。プロの殺し屋だ。百戦錬磨、失敗なし。 タンゴを愛する男。それだけ。生きる希望は特に無いし、愛する存在も持たない。だけどタンゴだけ。 ある家族を一家皆殺しの依頼で、子供を殺したことで始めて罪悪感を抱き、うっかりそこに飼われていた猫を殺せず連れ帰ったことが運のつきだった。ハムレットに全く懐くことのないその猫の首輪に猫の迷子防止のGPSが仕込まれていたのだ。海外に飛ぶも、足取りが警察にばれることとなる。 一家の長女は当時林間学校で留守にしていたため殺せなかった。 まだ少女だった広海は、絶縁状態だったアルゼンチンに住むクリーニング屋の祖父に引き取られることになる。
祖父はリュウという名前で呼ばれ、日系2世だった。 なにか秘密めいたリュウの行動に、広海が尾行や部屋の捜査をして、祖父がただのクリーニング屋ではなく、かつて凄腕の殺し屋稼業をしていたことを突き止める。 かつてリュウに殺された一家の生き残りの子供がめぐりめぐって何十年の時を経て、身内である息子家族抹殺を殺し屋組織に依頼したのだ。あてがわれた殺し屋がハムレットだったというわけだ。
広海は祖父に復讐を訴え、殺し屋としてのノウハウを叩き込まれる。 かつてはクラシックバレエを習っていた広海だが、亡き父がタンゴ好きだったことやその殺されたときに唯一ハムレットによって持ちさられたタンゴのレコードなどにより、犯人もタンゴを愛する存在であると知り、バレエからタンゴに習いものを変える。
やがて心身殺し屋として立派に成長した広海、しかもタンゴの腕も一流の上手さで、その上皆が目を見張るほど美しい女性に成長する。 20歳のとき、リュウとミロンガでタンゴを踊っていたときだ。 リュウから言われる。お前の父や母、弟をCENSORED依頼をしたマフィアは既に殺したと。 そして殺し屋組織へのアクセスの仕方、パスワードなどを。 そして、ハムレットというコードネームの殺し屋をおびき出すため、自分の殺害を依頼したと。 ハムレットがリュウを殺しに来たとき、逆に返り討ちにしてCENSORED予定だと。 リュウがしとめ損ねたときに、はじめて広海が代わりに殺れと。
しかし、リュウとタンゴを踊っている最中、リュウはハムレットに殺されたのだ。広海の目の前で。 リュウもただでは倒れず、ハムレットの顔を撃って吹き飛ばし、ハムレットは命からがら逃げたものの、弾は頭蓋骨の内側にあり取り出せない状態になる。顔の形成手術は組織のもぐりの医者に治してもらえたが、以来、ひどい頭痛に悩まされ、目がかすむ症状に、しばらく仕事もない日々に。
広海はリュウとの誓いを破り、自分が殺し屋として名を馳せ、組織の入り、ハムレットに近づいてCENSOREDことを決意するのだ。
やがてチャンスが・・・。大きな殺しの依頼で、広海(ロメオというコードネーム)とハムレットがペアを組まされることとなる・・・。
実際。 広海はハムレットを葬れることになるが、・・・悲惨。 ハムレットが哀れだった。 猫を何十年も飼い続けて、(猫は結局ハムレットに懐きゃしなかった)固執していた。孤独なハムレットの支えはタンゴとそのアストルという名の猫だったのだから。
広海はハムレットを殺したあとアストルと再会し、はじめて幸せな眠りにつくのだが。。。 彼女にはこのあと、この猫以外なにもないのだ。あとは死のみだ、一生追われる身だ。
殺し屋という非情な世界をやけにリアルに感じて、悲しくなった。心を持ったら負ける世界。
そしてやはりかっこよさも感じてしまったのも否めなかった。
no.787
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