重いテーマをさらりと書かせれば右に出るものはいないであろう伊坂作品。 今回は平和警察という言ってみたら戦争のときのナチスというか、ちょっとちがうかな、でも法の下でいかにも正義という大義名分で人をフランス革命のように危険人物と見定めたら(その真偽はともかく)ギロチンの公開刑をするのである。 そうだ、魔女裁判みたいなもので、水に沈めて浮いたら魔女で火あぶり、沈んだら人間だったチャンチャン♪というやつだ。
もとは、危険人物をあぶりだすには、疑わしき者もまとめてやっちまえ!みたいなところからできた組織らしいが。
とにかく酷い。もう無責任なリークでも、その当人を即死刑。拷問という取調べのもと、認めさせて自白という形でギロチンなのだ。
反対など唱えようものなら今度は自分や家族が狩られると、みんな口をつぐむ。
ところが。
現れた。正義の味方。つなぎのスーツを着て顔はヘルメットだったりマスクだったりでわからない。 けど、助けられた人が何人か。 協力な磁石の玉を使って。その磁石はとある大学の研究施設から盗まれたものらしい。
東京から真壁という男がやってくる。警視正も一目おいてるというブレイン、でも口を開けばチャラい感じで昆虫好きの変人だ。 でも頭脳は優秀で平和警察で幅をきかせてる薬師寺警視長もをぐぅの音も出ない有様。
ところで合間合間で床屋が出てきて、そこの会話の章が入る。 そこにくる常連客。 学生の大森鴎外(すごい名前!)は日に日にやつれてくる、でも磁石の研究室にいるのだ。おやおや?平和警察にもあまり好意的でない発言してるしこの坊やがもしや・・・というのはわりに早めにわかる。 そこにくる煎餅屋の社長。 床屋の店長とその妻。 ほかにもいる常連客。
そう、実はこの床屋こそがキーポイント。
伊坂マジックのどんでん返しは二重どころか三重にも四重にも。これはすごい。 最後のほうですべてわかったときの爽快感。
正義は死んでないってすてき!!
まさか刑事部長がねぇ・・・ 大森くんじゃなくてねぇ・・・ 床屋の久慈がねぇ・・・ 真壁死んじゃうとはねぇ・・・と思わせてのねぇ・・・ 薬師寺やられてやんの!!ざまぁみろ!
さあ、読後感最高、味わってください!! 伊坂ワールド!
no.766
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