|
こちらでははじめまして。ふつうこちらから書き込むものですよね。失礼しました。 あらためまして、ふかひれと申します(笑) 過去のYUMEさんの作品の感想をどこに書こうか迷ったんですが、 この板があまり使われてない(ごめんなさい)ようなので使用させていただきます。 膨大な作品群のなかで(どの作品も素敵なのですが) 特にわたしのお気に入りの作品を選ばせていただきました。 ただ絞っても数が多くなりましたので、 名劇関係を除いた作品を先に感想を述べさせていただきます。 名劇関係はこの後感想を述べさせていただきます。
●海のトリトン(海の中の二人1) (陽光)も好きなのですが、やはりピピと一緒のほうが(笑) 手塚作品はもちろんほとんど見てますが自分の年齢が若かったときのほうが好きでした。 年を経るにしたがってあの美しい線に物足りなくなったといいますか、 綺麗すぎて好きになれない(石ノ森章太郎さなんかも)・・・まあ上手く表現できませんが。 もちろんアイデアなんかはなんでこんなに無尽蔵に出てくるの? とびっくりするぐらい同世代の作家とは隔絶しておりましたが。 この作品は水中の水の表現が凄すぎます。 水面から底にいくまでの濃淡が大胆に表現されているだけでなく、 じーっと見つめているとこまかい泡が浮き上がってくるのが確認できます。 なんという技術力でしょう! 言うまでもなく二人の表情も素敵です。 ●ヒカルの碁(車内にて) とにかく彩色が素敵です。 ほとんど同一系に近い色を墨絵にも似た濃淡で描きわけ、 唯一ヒカルの髪の毛の色だけをワンポイントに配置したセンスのよさにしびれます。 ヒカルを気遣って静かに寝かせてやれよと言っているのでしょうか? それともライバルになにか悪さを考えているのでしょうか? (たとえば社会の窓が開いているけど黙っていろよとか←下品ですみません) 見る側にいろいろとシチュエーションが浮かぶ作品です。 実はわたし囲碁6段なんです。もちろんアマのですが(将棋は初段でへぼです)。 監修の梅沢由香里さんとも何回か対局した事があります。 ●あらしのよるに 杉井ギサブロー監督の作品は銀河鉄道の夜もとても好きだったのですが この作品もなんともいえない切なくて心温まる友情物語の佳作でした。 その映画の作品の雰囲気を余すことなく1枚の絵の中に閉じ込めた作品だと思います。 全体を構成する淡い色でスプレーされたタッチがほのぼのとした感じを醸し出し、 ガブとメイのその後の友情をやさしく見守るYUMEさんの愛情が ひしひしと伝わってきます。 無駄をそぎ落とした描線とためらいのないスピード感あふれる彩色! 熟練の技と作品に対する愛情とが一体となった傑作と言えると思います。 ●借りぐらしのアリエッティ(借りぐらしのアリエッティ2) なんという想像力!幼いキャラの成長した作品はよく目にしますが 逆に成長したキャラの幼い日を描くには相当な努力が必要とされると思います。 肩にかけた鉛筆、指を丸めながら身体を支える右腕、 組むでもなく少し上げた右足、どうしてここまで表現できるのかと思うくらい 愛らしいしぐさです。 暖色系に統一されたなかで青いリボンがひときわ引き立ちます。 ●雲のように風のように なぜかレンタル店へいくとジブリ作品と同じ棚に並んでいる作品(笑) まるで宣伝ポスターに採用されてもおかしくない作品だと思います。 銀河の快活さ、世沙明のプライドの高さ、玉遥樹の冷静沈着さ、 そして飄々とした紅葉、みごとに性格まで描き分けておられます。 ただただ白い背景に中国風の丸窓を中央に置き、 紅の花びらを散らすだけの構図に、 底知れぬセンスのよさを感じました。 ●ジャイアントロボ地球が静止する日 これはもう、銀鈴さんの凛々しさにまいりました。 草間大作くんが中央にいますがどうしても銀鈴さんに目が(笑) スフマートにも似たいつもと違う輪郭描写が別の横山キャラを表現しています。 構図的にもすばらしく、静と動が微妙なバランスで配置され、 躍動感を感じさせつつも安定感を与えていると思います。 ●太陽の王子ホルスの大冒険(太陽の王子ホルスの大冒険1) 森康二さん渾身のキャラ、ヒルダが見事なほどのジブリ顔! 宮崎駿さんのこのときのヒルダの原画をロマンアルバムでみましたが、 その後の宮崎さんを髣髴させる部分もありましたが、 やはり森さんの影響を相当うけていたと思います。 しかしこの作品はまったくの宮崎キャラですね。 ヒルダのホルスを見る目がトトと同じで鋭く、 グルンワルドの思考コントロールからぬけてないのでしょうか? 不安そうなチロの目が対照的で、善と悪の鬩ぎあいがみごとに浮かび上がってきます。 背景の夕焼けをバックにオレンジとホワイトのコントラストが美しい作品です。 YUMEさんは 東映動画作品はこの1点しか描かれていらっしゃいませんが、 あまり心に残る作品はないのでしょうか? ●地球へ・・・(地球へ・・・3) 当時、竹宮恵子さんの「地球へ・・・」、「アンドロメダ・ストーリーズ」や 萩尾望都さんの「百億の昼と千億の夜」、「11人いる!」、「スター・レッド」など 女性作家が描くSF物が好きでした。 特に「地球へ・・・」は強烈な印象が残っています。 「風の谷のナウシカ」漫画版のラストなんかものすごい影響を受けていますね。 知人の記者が宮崎さんにインタビューしたときこの点を突っ込んだら、 「まあいいじゃないですか。えへへへ。」と答えたと言ってました。 本作品はラストの蹴ったボールが地球へと変化していく遥かな思いを、 ミュウと人間たちの穏やかな表情でみごとに表現していると思います。 相克の果ての破壊と再生、そして互いを理解しあった至福の時、 その思いがひしひしと伝わってきて、当時熱中していた自分を思い出してしまいました。 ●天空の城ラピュタ(天空の城ラピュタ4の真ん中の作品) かほどのかわいいシータにネット上でお目にかかったことがありません。 宮崎さんより上手い!(笑) YUMEさんの描かれるキャラが往往にして原作者を凌駕するのは、 ひとえに作品に対する愛情、思い入れの深さだと思います。 それがあるからこそ原作の延長線にある作品を生産し続けれるのではと・・・・・。 まあ、わたしも作品に対する愛情は引けはとらないと思いますが、 それだけではだめで、YUMEさんのように当然技術や才能は必要ですね(笑)
●愛と誠 早乙女愛!君のためならCENSOREDる!by岩清水 そんな言葉がぴったりの清楚で可憐な愛さんです。 これはもしかしてながやす巧よりも早乙女愛の本質に迫っている気がいたします。 頭が枠からはみ出るかでないかのぎりぎりの構図がすばらしい! ふつうはびびって少し空けるものですが、YUMEさんはまったく容赦がないですね(笑) 髪の毛をなんでこんなに美しく描けるんでしょうか・・・・・・。ため息です。 里伽子なんか足元にも及ばない究極の女性像!みごとに描き出しておられます。 ●ポーの一族(ポーの一族1) ポーの一族2もすばらしいのですが、こちらの異常な美しさに失神してしまいそうです(笑) メリーベルがあまりにも可憐で美しい・・・・(ここまで美しく描くのは反則です) 永遠に少年の姿のままで時を生きるエドガーのメリーベルへの兄弟愛も 崇高さがにじみ出ております。 なぜこの作品はかように美しいのでしょうか。 もちろん人物の緻密な描写もそうでしょうが、 前方にある薔薇、そして二人の間に漂う霧にも似た空気の密度が 距離感をみごとに演出し、 バックの白と一線を画し白色そのものを 浄化したものに変化させているからではないでしょうか。 萩尾望都さんは一番好きな女性作家ですが、 彼女と同じ精神のもとに描かれた作品だと確信いたします。 脱帽です。 ●マイマイ新子と千年の魔法 新子と貴伊子の関係はアンとダイアナとかぶるところがありますね。 この時期の少女と少女は友情とも少し違った敬愛にも似た 不思議な感情があると思います。 手をつないだ二人の間を風が通り抜け麦穂を揺らす一瞬を、 二三枚のわずかな葉によって見事に表現されています。 前方を見つめる構図は多く見かけますが、 このように振り返った瞬間を捉えた構図は少なくとても新鮮です。 その一瞬の中にも新子の快活さと貴伊子のしとやかさがみごとに表現され、 印象深い作品となっております。 ●名探偵ホームズ(名探偵ホームズ1) この作品、色彩がとても好きです。 19歳でありながら未亡人・・・・・マリー・ハドソン魅力が余すことなく醸し出されています。 前方の柔らかい描写と後方の硬い直線が微妙なバランスで、 ひょっとしたら、一見おとなしそうにも見えるけど肝のすわった彼女の内面を、 表現しているのではとうがって考えたくもなる対比です。 劇場版ではエリソン夫人でしたね。モリアーティ教授もモロアッチ教授でしたし。なぜかな?
以上、制作意図と違う場違いな感想もあるかとは思いますがお許しくださいませ。 |
No.1667 2011/08/22(Mon) 22:37:00
|
|
>YUMEさんは 東映動画作品はこの1点しか・・・
失礼!(空飛ぶゆうれい船)も描かれていましたね。 すみませんでした。 |
No.1668 2011/08/23(Tue) 22:46:44
|
|
|
ふかひれさん、こちらにもありがとうございます。 まずはアリエッティ絵について誤解があるようですので、そちらを解かせていただきますね;
あのちょっと幼いアリエッティ絵は徳間書店発行の『THE ART OF 借りぐらしのアリエッティ」のP.30〜33に載っている初期設定とイメージボードのアリエッティです。 鉛筆を持たせたのは私ですが、それ以外は全てこちらを参照しました。 今度からはちゃんと何を参考にしたのか書いておきます;
『あらしのよるに』絵の線画は本編模写です。 『雲風』と早乙女愛もハドソンさんもほとんど模写です;
後は意図した事も意図しない事までも汲み取っていただきありがとうございます。
描きたい衝動で描くのですが、作品を知らない方が見たら何のことはない絵ばかりなのでもし価値を見出していただけるとしたら作品本編の力が大きいのだと思っていますしファンアート描きとしては本望でもあります。
ホルスはコナンでファンになった宮崎、大塚両氏の初期作品ということで、その頃はビデオもなかったためレコードを買って本編映像をひたすら想像してました。 なので、映像を観た時はいろいろとあれ?という感じで(笑)普通に観る事ができなかった作品です。 東映動画さんには子供の頃からえん魔くんとか大好きな作品が目白押しです、高校の時は上映会のために東大泉までミクロイドsとゆうれい船のフイルムを借りに行った事もあります。 そういえば長猫マークの会員証も持っていたような…長猫、その時は観た事なかったのですが;
ファンアートや二次創作は好みというか波長が合うと言いますか、本編の感動を共有出来たり一歩踏み込んで心に刻む絵や漫画に出会えるとその作品が更に好きになるという絶大な効果があります。 私の絵に、そんな思いを抱いて下さる方がいらしたら本当に幸せです。 ふかひれさんの絵には私には頑張っても描けない羨ましい要素ががたくさんあります。 思い入れは私も負けませんが(笑)お互いを羨ましく思いながら刺激し合うってどうでしょうか? |
No.1669 2011/08/24(Wed) 00:38:53
|
|
|
ナウシカが地球へに影響を受けていたとは知りませんでした! ナウシカの漫画、4,5巻くらいまでしか読んでいないんです;これは買うしか…(笑)
梅沢由香里さんはアニメに付属した囲碁コーナーで出演していらっしゃいましたね〜 囲碁はヒカ碁で天元という言葉だけ覚えました; 勝負師としての才能もお持ちとは多芸に秀でてますね。
今思えば2次元の初恋の人は幼い頃初めて映画館に連れて行ってもらって観た空飛ぶゆうれい船の船長かもしれないです(骸骨の仮面を被った姿で空に浮かぶところが…) その後帆船の模型が欲しくてたまらなくなったところもフィギュア好きの片鱗が…; |
No.1670 2011/08/24(Wed) 08:54:26
|
|
|
●YUMEさん 丁寧なレス、恐れ入ります。 >初期設定とイメージボードのアリエッティです 「THE ART OF 借りぐらしのアリエッティ」確認しました。でもやはりYUMEさんのオリジナリティを感じます。 というよりもこのページのどのアリエッティよりも素晴らしいではないですか! 事情はわかりませんがこれほどの才能をお持ちの方が なぜ業界(笑)を去られたのか永遠の謎です。 >ホルス わたしもホルスはリアルタイムではなく相当後になってから拝見しましたので、 YUMEさんの感覚と同じかどうかわかりませんが わたしもあれ?これがあの評判の高いホルスなの?という感覚を持ちました。 しかし何度か観るうちにそして当時の時代に自分の価値観をおいてみると この作品の偉大さがわかるようになって来ました。←異存はあると思います。 たとえば「アバター」を観た若者が続いて「2001年宇宙の旅」を観て、 なぁーんだ名作といってもこの程度の技術だったのかと感じるのと同じだったのかもしれません。 そこに40年間の技術の進歩を考慮に入れていなかったのです。 高畑さんの作品はなぜか何度か観るうちにそのたびに評価が上がっていく作品が多いです。 (ぽんぽこを除いて(笑) >お互いを羨ましく思いながら刺激し合うってどうでしょうか? お言葉は涙が出るぐらいうれしいですが、 刺激しあうほどの力量をわたしが持っているとは到底思えません。 つたない絵を投稿させていただき、コメントをいただければそれだけで光栄です。 あと、YUMEさんの作品にコメントをつけさせて(もう勝手に書いてますが) いただいてお話ができればほんとうに幸せです。 >ナウシカの漫画、4,5巻くらいまでしか読んでいないんです;これは買うしか…(笑) あと6、7巻ですからぜひともお買いあげください(笑) >幼い頃初めて映画館に連れて行ってもらって観た空飛ぶゆうれい船 そうですか。「空飛ぶゆうれい船」(同時上映は赤影、アッコちゃん、ア太郎)は夏休みのまんがまつりでしたから 春休みに連れて行ってもらっていたら「長猫」もリアルタイムで観れていましたね。 もう一年欲張るとホルスも(笑)ただ「空飛ぶゆうれい船」を観たのがリアルタイムでなければ話は違いますけど。 わたしの場合はもう少し前の作品がリアルタイムになります。(わたしのほうが若くないですね(笑)
今後とも場違いな発言を繰り返すかもしれませんがよろしくお願いいたします |
No.1671 2011/08/24(Wed) 18:56:56
|
|
|
赤影は今流行の3Dでした(赤青セロファンの紙眼鏡でしたが;) そうですか、春に行けば長猫が観れたんですね〜
過分なお言葉恐悦至極…(笑) 年はここまで来たら大差はないと思っております。
こちらこそどうぞよろしくお願いします。 |
No.1672 2011/08/27(Sat) 15:35:34
|
|