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ゴールデンウィークなので、劇場版「名探偵ホームズ」DVD特典のスタッフ座談会の一部をご紹介します。 ホームズの美術は山本ニ三さんですね。 山本ニ三さんといえば「天空の城ラピュタ」でも有名ですね。
劇場版「名探偵ホームズ」のスタッフ座談会の一部です。 製作担当:竹内孝次さん、原画:友永和秀さん、原画:田中敦子さん、演出補:富沢信雄さんによる対談。 今回は山本ニ三さんの話です。
司会:美術のね山本ニ三さんの仕事っていうのも、もう最終的なクオリティすごく貢献してると思うんですけど。 竹内:う〜ん俺は描くなつったんだよね。 宮崎さんも描くなって言ったんですよ。 僕はだから制作的に、それはスケジュール的にあがらないと、ようするに出せないから、外注さんに。 だから、そんなに描くなって言ったの。 で同い年だからね言うと山ちゃん怒るんですよ。 でも宮崎さんも、山ちゃん自分の首絞めちゃいけないよって言ったんですよ。 だからホームズのあの〜、事務所あるでしょ。 友永:ああ、オフィスね。 竹内:う〜ん、あそこの壁紙なんか、僕はもう取ってくれ、取ってくれって一生懸命言ったんだけど、もう結局取ってくれなくて、で、やるって言うからやるならいいよっていったんだよ。(笑) 田中:そうでしたね。 壁紙の模様が全部入ってて・・・。(聞き取り不能) 竹内:いや、ないほうがいいとは言わないけど、大変だよね〜あれ。 友永:う〜ん。 田中:ストライプにしないですもんね。 竹内:う〜ん。 友永:あともうレイアウトのちょっとパーツが狂ってると ね、これ狂ってるよとか! いいじゃんこの辺芝居やってるんだから。 ダメだよ、こういう現実描かなきゃだめだよって自分で直したやつ持って来るんだよね。 こんなことやってたらさ。 竹内:こんなこと言っていていいんだろうか?(一同笑) 富沢:一枚一枚全力投球だよね。 友永:今見てもさ、建物の壁のレンガのひとつひとつのこう、模様も。 富沢:色変えてるよ。 友永:変えてるね。 富沢:レンガの色変えてるんだよ。 友永:プロなのにわからないなあ。(笑) 田中:霧のロンドン描くのに、ビッシリ家を描いてから、ブラシで霧を描いていらっしゃるんですよ。 友永:自分でつぶしているの?(誰か大笑いされているようです。) 田中:自分でつぶして初めっからそこは描かなくてもいいのでは?みたいなことを伺っても僕は描かないとわからないっていうのと、こう霧の奥にこううっすら透ける感じがこのほうが出ると思うというようなことをおっしゃってらしたような気がしますけど。 友永:それだったら普通に描いてダブラシかなんかこう、おいたらそういう効果は出なかったのかな? 別にブラシをかけて、スーパーか? それだったら怒られるかな?絶対に? 田中:その辺のこう、微妙なこうリアリティというか? (確かに霧のシーンはすごいと思いました。) 司会:そういうちょと美術の方のこだわりってことから言うと、そのセルの方の色とね、それから美術というもののバランスってあるはずじゃないですか? その画面として完成するという。 当然仕上げとういうかね、色指定というのと美術の連携というのはどうやって行われていたのでしょうか? 竹内:たとえば、昼は昼のあの〜色のまんまで、え、夜は夜の色でという風に大きく色分けしたらそれで終わりのはずなんだけど、たぶんニ三さんが、いろいろ部屋の中とか、色を変えたりするからもしかすると細かく見ると、うんあの〜、セルの方もそれに合わせて色を変えてるかもしれない。 だから〜、セルにしては、今も観てるんだけどすごくマッチッングしてるよね。うん。 司会:ほんとにワンカットごとに、その背景とね、セルの色を合わせていくというのは、テレビシリーズの作り方としては、どうなんですか?常識的に考えて。 竹内:非常識です。(周り笑) |
No.1556 2010/04/29(Thu) 14:56:34
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確かにホームズは色々と質が高かったですね。 背景然り。 山本氏は時かけで特に有名になられましたが、それ以前にも宮崎作品等数々の有名なアニメの美術で画面から伝わってくる世界感を作って来られた方ですね。 絵を観ただけでは誰とはわからないのですが、ファンタジックチルドレンの1話に惹かれたのは神秘的な雰囲気ただよう美術(後から山本二三氏と知りました)と不思議ななかむらキャラでした。 セルが背景とマッチするって、重要ですよね。 今ならデジタル加工で後から出来そうですが、ホームズの当時はそのようなものもないのに美術も作画もあの画面密度の高さは驚異的でした。 観たくなってきましたよ、ホームズ! TV版は録画したのがあるのですが、劇場版は声が違うんですよね〜 |
No.1557 2010/04/30(Fri) 04:06:48
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これで終わるはずだったのですが、僕のコメントで「今回は」ってあったのでもうひとつだけ。
「劇場版ホームズ」の「青い紅玉」と「海底の財宝」のDVD特典の座談会で、司会と当時製作スタッフ竹内孝次さん、原画友永和秀さん、原画田中敦子さん、演出補の富沢信雄さんによる座談会の一部です。 司会:宮崎さんのコンテの要求を超えて、こう暴走して描いた思い出のあるシーンとかもあるんですか? (みんなで譲り合う、田中さんは暴走アニメーターと言われる。) 司会:実例とかがもしあれば。 田中:私は〜あの〜なんだっけ?「青い紅玉」で、スマイリーとプロトタイプのベンツがヒューと落っこってって、ベンツが橋にダ〜ンとなったあとスマイリーがしばらく水の上を走っているんですけど、あれは勝手につけくわえちゃったところなんですけど。 あの後ですね、ガ〜と、プレラノドンが落ちてきて、あの〜すみません。 友永:鶏? 田中:ええ、車とぶつかったときに、中に鶏が入っていることにしてしまってブワ〜っと。 竹内:そうなんだよ。あの鶏はなかったんだよ。カットになかったんだよあれ。 俺はさあ、原画数えててさ〜、こうやって枚数あれ〜?なんか枚数多いなあと思ってさあ、宮さんに、「え〜、宮さん枚数多いすっよ。」と言ったんですよ。 「俺は鶏なんて描けって言ってないんだよ。」(宮崎監督) 友永:でも宮さん逆に描いてくれればしめたと思っていたね。 「俺は描いてねえよ!」と言いながらシメシメ。 田中:私以外にもみんなそういうこと好き勝手にやったんですよ。 竹内;好き勝手にはやらんでしょう。(笑) 田中;好き勝手にやってましたよ〜。(笑) 宮崎さんが劇場の監督をした場合だったら絶対譲れないようなことがすごく許してもらえたので、かなりのびのびと、アニメーターが楽しくお仕事をやった作品じゃないかと。 友永:だからあれですね。宮さんの下で萎縮しない最後の仕事じゃないかと。 一同大笑い。
すみません。 かなり大まかに聞いて書いたのでたぶん細かいところが違うと思いますが、 だいたいこんな感じの会話だったと思います。
ところで劇場版「名探偵ホームズ」のDVD特典に入っていた、 劇場版「名探偵ホームズ」の当時の宣伝が広川太一郎さんでおどろきました。 劇場版では柴田?p彦ですね。 「大草原の小さな家」のお父さんですね。 柴田さんのホームズがまた渋い! ちなみエリソン夫人(ハドソン夫人)の声がフィオリーナの信沢三恵子さんで、この声もまた素敵でした。 |
No.1558 2010/04/30(Fri) 17:41:23
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GWスペシャル書き込みお疲れ様でした。 実力のあるスタッフが楽しんで要求以上の仕事をしたくなるような作品は必ず名作になりますね。 |
No.1562 2010/05/08(Sat) 04:46:35
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