Spring2 Specialの感想について - 内藤 |
逸品館 代表 清原様
毎々お世話になります。
掲示板を見直してみるとSpring2 Specialのレビューがあまりないようですので、稚拙ながら感想を書かせていただきます。
まず、月並みな感想ですが、ミュージックPCとの相性は元々所持していたCHORD DAVEより良いということです。
私は普通ならやらないMAY DAC→CHORD DAVE→Spring2 Specialという最高峰からある意味ランクダウンの経緯を辿ってきていますが、その中でもSpring2 Specialが最もミュージックPCのアップサンプリングをしてあげた時に音源の破綻が少なく、音楽を聴いていて気持ちがよかったです。
MAY DACは同じHOLO AUDIOの作っている実質Spring2の上位に位置づけされるDACですが、デジタル的な色が強く、現在的なHIFI調の音色でした。硬いエッジや足りない透明感や強調感のある拡がりといったキャラクターがついており、解像度や力感は流石にSpring2 Specialより上でしたが、音楽を聴いていて、気持ちよいかと言われるとアナログらしさが足りなかったと思います。ヌケが悪く、滑らかでなく、感情表現に重要な躍動感がSpring2 Specialより劣っている印象です。その点、Spring2 Specialは音楽を聴いていて、心地よいです。デジタル色が薄れており、アナログレコードらしさを感じます。上位のDACといえど、重要視している部分が全く違うことが伺え、アナログ技術ではAIRBOWに劣っていると明確に感じさせてくれました。
さて、CHORD DAVEについては御社で取り扱いがありませんが、実質最高峰DACの一つとして有名ですね。値段的にも。 本来なら流石に比較対象にならないのですが、これがミュージックPCとの相性であれば、Spring2 Specialが上と言わざるを得ません。
DAVEの技術は、DACには搭載できないレベルの強力FPGAの演算能力により、100万タップWTAフィルター(FIRフィルタ)で16bitレベルを完全なSinc関数に基づいた補完が出来る、要は超アップサンプリングが特徴ですが、聴覚上は解像度、分解能が高すぎてノイズまで浮き出たり、ほかのDACが聞こえないレベルの粒子的な細やかな音まで暴き出す、基礎性能であれば他の追随を許しません。
ですので、Spring2 Specialの完敗かと思いましたが、ミュージックPCとのアップサンプリングを組み合わせた場合、元から高すぎる解像度と分解能が更に高くなり過ぎて、音源によっては音色が破綻します。というより、録音の悪い部分を丸裸にしてしまうということですね。こうなっては気持ちよく音楽を聴けるはずもなく、音源を選ぶ傾向がありましたが、Spring2 Specialは解像度と分解能が程よく、NOSで自然なので、破綻が少ないです。解像度が高ければ何事も良しというわけではないことを、よく教えていただきました。
Spring2 Specialは素晴らしいバランスでまとまっているDACと思います。ミュージックPCを使用している方にはお勧めできる逸品だと思います。ミュージックPCを使っていないのであれば、ほかの選択肢を検討した方が良いとも感じましたが。
以上にてよろしくお願いいたします。
[No.17269] 2021/04/14(Wed) 04:22:46 |