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No.7700へ返信

all EV172 ”種族を分ける”  作業用スレッド - 鈴藤 瑞樹 - 2011/05/29(Sun) 19:37:04 [No.7688]
提出しました - 竜宮・司 - 2011/06/27(Mon) 23:48:07 [No.7724]
締め切り27日へ伸びました - 竜宮・司 - 2011/06/18(Sat) 03:54:22 [No.7715]
今のところ27日23時までに提出する予定ですー。 - 竜宮・司 - 2011/06/26(Sun) 17:56:16 [No.7721]
Re: 今のところ27日23時までに提出する予定ですー... - 九音・詩歌@詩歌藩国 - 2011/06/26(Sun) 23:05:31 [No.7722]
Re: 今のところ27日23時までに提出する予定ですー... - 九音・詩歌@詩歌藩国 - 2011/06/27(Mon) 01:26:17 [No.7723]
質疑返答きましたー - 竜宮・司 - 2011/06/17(Fri) 10:41:06 [No.7713]
EV172 ”種族を分ける” についてお尋ね。 - 花陵ふみ - 2011/06/16(Thu) 22:28:05 [No.7709]
質疑出しましたー - 竜宮・司 - 2011/06/17(Fri) 02:31:20 [No.7711]
Re: 質疑出しましたー - 花陵ふみ - 2011/06/17(Fri) 07:29:03 [No.7712]
芸術の民 設定文章 - 鈴藤 瑞樹 - 2011/06/12(Sun) 22:04:16 [No.7701]
検閲後 - 九音・詩歌@詩歌藩国 - 2011/06/19(Sun) 00:20:47 [No.7716]
誤字発見 - 岩崎経 - 2011/06/13(Mon) 15:24:38 [No.7702]
ちょっとしたジョークってやつさ! - 鈴藤 瑞樹 - 2011/06/13(Mon) 19:04:01 [No.7703]
(No Subject) - 士具馬 鶏鶴 - 2011/06/12(Sun) 01:02:27 [No.7700]
申し訳ないけど使わないかも - 竜宮・司 - 2011/06/17(Fri) 02:11:22 [No.7710]
シーズン2犬士の実績纏め - 竜宮・司 - 2011/06/09(Thu) 23:52:27 [No.7697]
犬士さん用のSS。 - 花陵ふみ - 2011/06/08(Wed) 19:28:22 [No.7696]
ちょっと変えました。 - 花陵ふみ - 2011/06/19(Sun) 08:35:25 [No.7717]
カーシー 設定文 - 鈴藤 瑞樹 - 2011/05/29(Sun) 19:43:05 [No.7690]
関連質疑 - 鈴藤 瑞樹 - 2011/05/29(Sun) 19:39:26 [No.7689]


(No Subject) (No.7688 への返信) - 士具馬 鶏鶴

詩歌藩国の夜は暗い。
島の大半が自然に覆われている。
高い山、深い森、厚い雪。
街を照らす街灯は、かつてと比べればずいぶん増えた。
しかし、未だこの国の文明は夜を支配できていない。
だから、此の国には未だ幻想が息づいている。
優しくも強い、人ならざる者達の物語。
今宵も、その幕が開く。



サファイアラグーンを見下ろせる場所がある。
そこには一体の石像があった。
巨大である。
足元からだと顔は見えないだろう。
積雪と春雨で像は黒くなっていた。
野ざらしであったけれど、みすぼらしくはない。
それは犬の女神であった。
かつては地下の大神殿で埃を被っていたけれど、今はこの場所で詩歌の日々を眺めている。

その足元に、43士の犬士がいる。
静かに何かを待っていた。
姿形は皆、人である。
ただ、犬の耳と尻尾が見える。
男も女も老いも若きもいた。
職業も様々である。
兵も警官も医師もいた。
およそこの国にある職業の殆どがいた。
なのに、誰もかれもが時代遅れで旧式の剣形銃を持っていた。
燃費が悪く整備も難しい、随分昔に最新型と取り換えられた筈である。
なのに、それは彼らの手の中にあった。
さも、当然のように。

今はもう動かない女神の像の影が揺れた。
煌々たる満月が新たに濃い影を生む。
四本の脚は音を立てない。
赤いマントを靡かせる。
煌々たる月がその背を照らす。
その名はシィ。
詩歌を統べる犬の王。

犬士達が頭を垂れた。
しかし、膝を屈しはしなかった。
それが、彼らの関係である。
彼らは犬妖精と呼ばれている。
人よりも古くこの地で暮らし、すこしだけ長い時を生きてきた。
そして、詩歌の民たる心を得た。

王は二本の脚で立ち上がった。

「皆、この国は好きか?」

唐突に、王犬は尋ねた。

「「「「「はい」」」」」

淀みない返事だった。

「皆、強い力は怖いか?」

強い意志に満ちていた。

「「「「「はい」」」」」

臆することのない返事だった。

「力よりも心は強いか?」

何度も自問した言葉だった。

「「「「「はい」」」」」

確信に満ちた返事だった。

「ならば、我らの心が我らの力を御するだろう。どれだけ強い力でも」

答えは決まった。
44の妖精達は唱えた。
始まりの言葉を。
かつて封印したカーシーの力を解く、その儀式のはじまり。

「「「「「ワン フォア オール、オール フォア ワン(一匹はみなのために。みなは一匹のために)」」」」」

それは詩歌藩国が唯一持つ絶技と同じ言葉だった。
だが、それとは全く関係がない。
これは、ただの心構え。
この国から学んだ人の心。

「諸君、【我が家の歌】を。
家たる国を守る我々の心を示せ。
我らの力の王が家を思う心だと」




これが、詩歌の歴史に姿を現したカーシーの始まりとなる。


[No.7700] 2011/06/12(Sun) 01:02:27

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