野呂栄太郎著『日本資本主義発達史』を公開した。 本人も言うように習作というところで、若干疑問を持つ。歴史を論じているのか、資本論の勉強なのか、現代批判なのか。そういった分類は不本意であろうけれど、いくつもある断定に対して、それが如何なる連関に於いてあるのか、それを解明するべきだろう、と返したくなる点がある。それは、無い物ねだりで、弾圧を食らう中で病身を押して成された研究にケチをつけるべきではないでしょうが。 全集版でテキスト化したもので校正に時間がかかった。二度手間という感じでした。戦後の文庫本を手に入れた方がよかったのですが、気付くのが遅かった。全集は原著の漢字を大量に平仮名書きに直している。日本共産党の先駆者の文を後継者が読みやすくする、という意識だったのでしょう。部外者から見ると、それは原著の文体を変えている、と見えるのですが。 |
No.473 - 2024/01/17(Wed) 19:25:17
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