岩波書店から出されている論文集、時枝誠記博士論文集第一、二冊、「言語本質論」と「文法・文章論」を公開した。 収録されている論文は、 第一冊十四篇 鈴木朖の国語学史上に於ける位置に就いて 本居宣長及び富士谷成章のてにをは研究に就いて 伊藤慎吾君著「近世国語学史」を評す 古典注釈に現れた語学的方法 源氏物語帚木巻冒頭の解釈 古語解釈の方法 国語学の体系についての卑見 語の意味の体系的組織は可能であるか 形容詞形容動詞の連用形に於ける述語格と副詞格の識別について 文の解釈上より見た助詞助動詞 心的過程としての言語本質観 言語に於ける場面の制約について 言語に対する二の立場 言語の存在条件
第二冊十九篇 場面と敬辞法との機能的関係について 敬語法及び敬辞法の研究 対人関係を構成する助詞、助動詞 文法研究における一課題 金田一春彦氏の「不変化助動詞の本質」を読んで 詞と辞の連続・非連続の問題 竹岡正夫氏の詞辞論批判に答える 長船省吾氏の詞と辞との区別に関する論文を読む 条件法として解釈される連体形の一用法 「申したまふ」についての考 言語における伝言者の立場について 海道記新註続貂 文章研究の要請と課題 詩歌における音楽性について 「平家物語はいかに読むべきか」に対する一試論 平家物語の異本成立の過程に対する一考察 『平家物語』「戒文」の異文について 栄花物語を読む 言語・文章の描写機能と思考の表現 以上。 |
No.448 - 2022/03/15(Tue) 19:42:41
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