田辺寿利著『言語社会学叙説』を公開した。国会図書館オンラインでも公開されているが、著作集からPDF化した。 フランスに於ける研究の紹介であるが、著者は学として成立していると意気込んでいる。言語学を学んでいる人から見ると古くさい研究集と見えるでしょう。学び初めの方には色々な説と言うことで勉強になるかと思います。
社会学としては疑問に感じます。とりわけPaulhanの「符号言語と暗示言語」などは、長々と解説しても、問題点が指摘されていない。言語の二方面の機能を、二つの言語と倒錯視することの問題が自覚されていない。 あるいは、Darmesteterの意義学が心理的説明に終始しているのに、わずかに社会的なことに触れていることを捉えて、「一種の社会学的観念が置かれている」と見る。
言語が社会的なものであって、個々人に対して外在的である、などということはあまりに当たり前なこと。そこにどう社会学的な見地が入りうるかという肝心な点の追求がまったく足りない、と見える。 |
No.441 - 2021/04/30(Fri) 11:40:28
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