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田辺寿利訳『実証的精神論』 / 石井 [中国] [ Home ]
オーギュスト・コント著田辺寿利訳『実証的精神論』を公開した。

コントが、自身の哲学を実証主義と規定したことを語るもので、手軽に概略を知ることができるもののようです。無料の公開講座を数年開いたその内容を、著書としたときの序文ということです。コントは社会学の必要を説いたということですが、ここには社会学的な考察は皆無に見える。必要なようなことは言っているが。
文章は講座で話されるようなものではない。このような話し方をされたら、ついて行ける人は一握りの秀才だけでしょう。

訳書としては、岩波文庫から出て、1985年にも再刊されたように、コントの訳としては貴重なものでしょう。1947に信濃書房から改訂版が出ており、それを底本ということにしている。ただそれは当時出版事情が良くなかったようで、校正が充分にはなされていない。岩波文庫版の修正なのか校正不足なのか、と危ぶまれる箇所がある。素人ながら、訳文に口を挟むごとき注をいくつか入れてしまった。
No.442 - 2021/05/25(Tue) 11:20:39
田辺寿利著『言語社会学叙説』 / 石井 [中国]
田辺寿利著『言語社会学叙説』を公開した。国会図書館オンラインでも公開されているが、著作集からPDF化した。
フランスに於ける研究の紹介であるが、著者は学として成立していると意気込んでいる。言語学を学んでいる人から見ると古くさい研究集と見えるでしょう。学び初めの方には色々な説と言うことで勉強になるかと思います。

社会学としては疑問に感じます。とりわけPaulhanの「符号言語と暗示言語」などは、長々と解説しても、問題点が指摘されていない。言語の二方面の機能を、二つの言語と倒錯視することの問題が自覚されていない。
あるいは、Darmesteterの意義学が心理的説明に終始しているのに、わずかに社会的なことに触れていることを捉えて、「一種の社会学的観念が置かれている」と見る。

言語が社会的なものであって、個々人に対して外在的である、などということはあまりに当たり前なこと。そこにどう社会学的な見地が入りうるかという肝心な点の追求がまったく足りない、と見える。
No.441 - 2021/04/30(Fri) 11:40:28
田辺寿利著作集第3巻公開 / 石井 [中国]
田辺寿利の論文集で、デュルケムに関連するものを集めている。フランス社会学の関連ということで、内容的に重複する点も多いものですが、デュルケムの教育論とかCENSORED論とか宗教研究をちょっと見ると言うときに便利と言えるでしょう。収録されている論文は、
フランス現代社会学
生物学的社会学
実証主義の社会学
デムルケムに於ける社会形態学の観念
宗教現象の社会形態学的説明
ソシオロジスムの教育学説
社会学の対象としての社会主義
デュルケムの宗教社会学
CENSOREDに関する社会学説
ガストン・リシャールの社会学説
他2件です。
No.440 - 2021/03/29(Mon) 19:44:04
田辺寿利著作集第2巻公開 / 石井 [中国]
田辺寿利著作集第2巻「コンドルセとコント」を公開した。コントとコンドルセの二つのファイルにした。研究としては繋がったモノでしょうが、別個の論文です。

コントの方は「フランス社会学成立史」の続編に近いモノで、社会学の成立を述べる、という順になる筈ですが、この著の範囲では成立はしていない。コントの三段階説では、自身の立場は第三段階の科学として社会を論じていることになる。田辺の記述の範囲では、そもそも、その「三段階説」そのものが第二段階の形而上学と言うべきでしょう。

コンドルセの方は、彼の著述が翻訳されていない現状から見ると、遺著「人間精神発達史綱」の要約がなされているという意味で貴重なものと思います。
No.439 - 2021/03/08(Mon) 10:37:08
田辺寿利の部屋 / 石井 [中国]
社会学者の田辺寿利の部屋を新設した。
著作集第一巻から、「パスカルと社会学」「フランス社会学成立史」を公開した。

エンゲルスの「空想から科学へ」を補足するもの、と言うと田辺氏は憤慨するかも知れません。社会学の成立前史であって、単なるユートピア思想ではない、と。しかし、エンゲルスもサンシモンなどを単なる空想家としては描いてはいない。時代を捉えたものであるからこそ、継承され発展しうるものとして描いている。まあ、後の者が非科学的だと触れ回ることはあったかも知れませんが。一つ不満を言っておきますと、これは学説史であって、社会学の成立史としては不十分です。貴重な研究ではあるでしょうが。

田辺の著は、コントまで進まなければなりませんが、未完の著と言うところです。それは第二巻に別途の論文として有るので、次の作業とします。
No.438 - 2021/02/10(Wed) 11:40:26
堺利彦訳『社会主義の発展』 / 石井 [中国]
エンゲルス著堺利彦訳『社会主義の発展』改造文庫版を公開した。堺がドイツ語版からの訳として出版したもの。英語版からの訳として出版したときは、『空想から科学へ』としていた、と言う。
No.437 - 2021/01/07(Thu) 10:40:21
『一般者の自覚的体系』 / 石井 [中国] [ Home ]
西田幾多郎著『一般者の自覚的体系』を公開した。彼の中期らしい論文集です。『善の研究』が、内容を何処まで理解出来るかは別として、文として読む事が出来るに反し、数学の論文でもあるようです。定義された記号・語彙を常に思い出さなければ意味不明になるように、西田語を手元に置いて読まなければ迷子になるものです。もっとも、抜き書きノートをつくって見ましたが、結局諦めました。まあ、負け惜しみを書いておきますと、
彼が論じているのは、知識の構造と言うより、形式をなぞっているだけに見える。本人は内容を伴った知識の形式を見ているつもりでしょう。そうであるとしても、博識ではない者にとっては、書かれている形式的な論議の内容を埋める知見がないのですから、殆ど空論に見える。

国会図書館デジタル資料で公開されていますが、あえてPDFを作成してみました。数理的論理式が満載の論文を読める頭の柔らかい方とか、一行ずつ意味を確かめながら余生の楽しみとして読む方には、或いは役立つかも知れません。
哲学勉強小部屋に置いておきました。
No.436 - 2020/12/20(Sun) 11:33:49
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