西田幾多郎著『一般者の自覚的体系』を公開した。彼の中期らしい論文集です。『善の研究』が、内容を何処まで理解出来るかは別として、文として読む事が出来るに反し、数学の論文でもあるようです。定義された記号・語彙を常に思い出さなければ意味不明になるように、西田語を手元に置いて読まなければ迷子になるものです。もっとも、抜き書きノートをつくって見ましたが、結局諦めました。まあ、負け惜しみを書いておきますと、 彼が論じているのは、知識の構造と言うより、形式をなぞっているだけに見える。本人は内容を伴った知識の形式を見ているつもりでしょう。そうであるとしても、博識ではない者にとっては、書かれている形式的な論議の内容を埋める知見がないのですから、殆ど空論に見える。
国会図書館デジタル資料で公開されていますが、あえてPDFを作成してみました。数理的論理式が満載の論文を読める頭の柔らかい方とか、一行ずつ意味を確かめながら余生の楽しみとして読む方には、或いは役立つかも知れません。 哲学勉強小部屋に置いておきました。 |
No.436 - 2020/12/20(Sun) 11:33:49
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