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メルヴィル作品の上映情報、感想はもちろん、関連する事柄等、何でもどうぞ。
WINGBEAT COFFEE ROASTERS
『ある道化師の24時間』 / Faux
 みなさん、こんばんは。
  TV映画『フェリーニの道化師』(71)では、メドラノ・サーカスのアントネとベビ、道化トリオ・フラッテリーニ三兄弟などの有名な道化師のエピソードや、有名な寸劇が再現されています。
 『フェリーニの道化師』に出てくるピエール・エテックスは、イラストレイター、道化師、映画監督、絵本作家です。ポール・フラッテリーニ(1886−1961)の孫娘アニー・フラッテリーニ(1932−97。彼女も『フェリーニの道化師』に出演)の元夫で、名高いフラッテリーニ国立サーカス学校の校長でもあります。
 エテックスはジャック・タチの『ぼくの伯父さん』(58)に助監督、ポスター・デザイナーとして全面協力、キャラクター、セット、オブジェのほとんどのデッサンを手がけました。ロベール・ブレッソンの『スリ』(59)ではスリの一人として出演。ルイス・ブニュエルの協力者として知られる脚本家ジャン=クロード・カリエールと組んだ自らの監督・主演作の『女はコワイです』(62)や『Yoyo』(64。2007年に修復版がカンヌで上映)など60年代の長編4作品は、一部できわめて評価が高いのですが、権利者によって封印され上映できないので、エテックスも困り果て、支援・助言を求めています。エテックスは、大島渚の『マックス、モン・アムール』(86)などにも出ています。

 ところで、メルヴィルの処女作『ある道化師の24時間』(46)は、一般にほとんど見る機会がないのですが、ピガールのメドラノ・サーカスの人気道化師ベビとマイスが出演しているだけでも貴重です。無声で撮影され、後に映画製作者ピエール・ブロンベルジェの後押しで、メルヴィル自身が、画面に映るベビの内面や行動を解説するヴォイスオーヴァー・ナレーションを付け、完成させました。サシャ・ギトリの『とらんぷ譚(ものがたり)』(36)や、ゴダール=トリュフォーの短編『水の話』(61)を思わせる手法です。
 ベビは本名アリストデモ・フレディアニ(1885−1958)。イタリアの名門サーカス一家のフレディアニ家の出です。ブレッソンの処女作の中篇風刺喜劇『公共問題 Affaires publiques』(34)のほか、『Les Freres Delacloches』(36)、記録映画『La Vie des artistes』(38)にも出ています。
http://clown.i-clic.net/article-149664.html
 1913年、ベビはウンベルト「アントネ」ギヨーム(1872−1935)と1913年にコンビを組みました。フェリーニによると、アントネは舞台の外ではベビに口をきかなかったといわれます。
http://clown.i-clic.net/photo-11760-antonet-et-beby_jpg.html
 アントネの死後、ベビは、マイス(1894−1976。ルイ・マイス)、パスティス、アレクス、ピポらと共演。マイスとアレクスは『フェリーニの道化師』にも登場。なおルイ・マイスは、ピエール・エテックス監督・主演の『Le Grand amour』(69)に大きな役で出演しています。

 以下、韓国盤DVDとジネット・ヴァンサンドーのメルヴィル本(222頁)のシノプシスを参照しつつ、『ある道化師の24時間』のあらすじを書きます。
 (ベビの顔写真の上に字幕)「正直な人たちを笑わせるのはすばらしい仕事だ。J・B・ポクラン」。(J・B・ポクランはモリエールの本名)。
 夜のモンマルトル、ピガール地区で、シルエットの帽子の男が腕時計を見る。11時50分だ。メドラノ・サーカスでは道化師ベビとマイスの出し物が終わろうとしている。派手な衣裳のマイスは横一列に吊るされた水の入った瓶を手で叩き、木琴のように奏でる。ベビはギターで伴奏する。出し物が終わると、彼らは楽屋でメイクを落とし素顔に戻る。
 ベビの自宅では彼の妻が靴下の穴を繕いながら、彼を待つ。彼は「またスパゲッテイか」と文句を言いながらスパゲッティを食べる。ベビは寝室に入る。マドリッド生まれの道化師「ブン=ブン」ことジェロニモ・メドラノ(1849−1912)の彫像。(ジェロニモの息子ジェローム(1907−98)が1928年に「道化師サーカス」メドラノ・サーカスを設立)。アカデミー会員の作家でコメディ・フランセーズ総支配人も務めたジュール・クラルティ(1840−1913)によれば、メドラノは死にかけた子供を、その存在によって救った(クラルティは、1886年に、メドラノについての短編「ブン=ブン」を書いている)。ミスタンゲット、アルベール・プレジャン(『巴里の屋根の下』)などベビの過去の共演者の写真が壁面を飾る。最後にドア脇のジュール・クラルティの写真。寝る前に彼はベッドで、セルジュ(本名モリス・フェオディエール)の「サーカスの道」(45年)という本を開く。中にはアントネと彼への著者の献辞が手書きで書き込まれている。続いてトリスタン・レミの「道化たち」(46年)という本。こちらにもベビへの手書きの著者の献辞が。ベビは想い出の写真が一杯詰まった箱を開く。ペル=メル、ジャン・リゴー、歌手ジョルジュス(本名ジョルジュ・ギブール)、レイモン・コルディ(『自由を我等に』)、『公共問題』のマルセル・ダリオ(『望郷』)、『公共問題』のジル・マルガリティス(『アタラント号』)、イタリアの不世出のジャグラー、エンリコ・ラステリ(1896−1931)、アントネ。アントネの死後、ベビの相棒はマイスに替わった。ベビの父の道化師アウグスト・フレディアニ(1846−1936)が家族に囲まれ死んだ家、ベビの兄ウィリー(1871−1947)のウィリー・サーカス、今はなきベルリンのケーヒニ・カフェの前のベビの写真。グラウチョ・マークス(マルクス)のサイン入り写真。ネグス、紳士、警官、伊達男に扮した若い頃のベビの写真。フレディアニ一家の、人の頭の上に人が立ち、さらにその頭の上に人が立つ危険な曲芸の写真。曲芸師になった18歳のベビの写真。本を置いた彼は愛犬スウィングと一緒に祈る。冒頭の帽子の男が暗闇で煙草の煙をくゆらせるシルエット。
 朝、ベビは目覚まし時計で起きる。犬がベッドから出て行く。彼の妻が熱いコーヒーと手紙を持ってくる。道化師になりたいという8歳半の少年からの手紙だ。外出したベビは帽子を忘れたことに気づき、口笛でアパートの上の階の妻を呼ぶと、妻が帽子を投げる。ベビはアパートの真向かいのレンタル公衆浴場(個室)に行く。浴場を出たベビは、前方から歩いてきた若い美女に見とれ、妻に怒られる。彼は仕立て屋に遭わないよう気をつけながら、近所の行きつけのカフェに行き、店の亭主や常連客に帽子とコインを使った芸を見せる。マイスと落ち合ったベビは、レピック街のカフェのテラスで、果物売りの婦人、新聞を読みながら歩いて転ぶ紳士、その他の通行人たちを観察する。
 仕事の時間が来ると、マイスと、愛犬スウィングを連れたベビは車でメドラノに行き、メイクする。マイスは異色の経歴をもつ道化師だ。1905年に、トゥーロンのオペラ座が火事になった時、負傷をした美人ダンサーを医師として治療し、彼女を口説いたたのがきっかけでこの道に入った。マイスの娘がマイスの着付けを手伝う。マイスとベビは舞台に上がる。その晩の漫才風の芸(ここで初めてマイスとベビの同時録音の声が聴ける)には午後のレピック街での観察が活かされている。道化師がひっぱたかれるのはお約束だ。ベビもマイスにひっぱたかれる。シルエットの帽子の男が腕時計を見ている。11時50分だ。

 メドラノ・サーカスの創始者ジェローム・メドラノについての英語記事
http://findarticles.com/p/articles/mi_qn4158/is_19981130/ai_n14196339/pg_1
 映画に出てくるセルジュとトリスタン・レミの、サーカス、道化師に関する本は今も海外古書サイトなどで手に入るようです。
No.1014 - 2008/03/29(Sat) 22:00:40
Re: 『ある道化師の24時間』 / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんばんは。
『ある道化師の24時間』、べビ、ピエール・エテックス等の情報ありがとうございます。
ことに詳しいあらすじを書いていただき、私も作品を理解する上で大変助かります。
『フェリーニの道化師』は未見ですが、ピエール・エテックス、マイスが出ているとのことなので、興味が出ました。
文中でご指摘のサシャ・ギトリの『とらんぷ譚』はメルヴィルも好きな映画とのことなので先日DVDを購入、2度観ました。
ギトリ自身によるナレーションが大変印象的な映画で、内容も面白かったです。
No.1015 - 2008/03/31(Mon) 00:11:49
『フェリーニの道化師』ほか / Faux
 マサヤさん、こんばんは。
 『フェリーニの道化師』は昔見たとき、失われた偉大な道化師たちの伝統をまったく知らないので、よくわかりませんでした。今はもっていませんが、日本公開時の岩波ホール(エキプ・ド・シネマ)のパンフレットには、採録台本ほかが掲載されているので、何か役立つ情報が載っているかもしれません。
 2006年2月26日、トリノ五輪の閉会式では、トリノ国立映画博物館所蔵のダニロ・ドナティ(1926−2001。ゼフィレッリの『ロミオとジュリエット』などの衣裳担当)のデザインしたこの映画の衣裳6点が実際に使われたとのこと。ホワイト・クラウンに扮すのはファブリツォ・アリゴニ。女優でファッション・デザイナーのヴァレリア・マリーニ(67年、ローマ生まれ。178センチ)が『甘い生活』のアニタ・エクバーグを思わせる人魚の衣裳を着ています。
 トリノ五輪閉会式より(実況解説は英語)。
http://jp.youtube.com/watch?v=hZyzZa-R0pM
 ちなみに、トリノ映画博物館を舞台にした映画に『トリノ、24時からの恋人たち』(2004。ダヴィデ・フェラーリオ)があります。トリュフォーの『突然炎のごとく』等の過去の名画を踏まえているそうですが未見。DVDは2007年にハピネット・ピクチャーズから出ています。
 『トリノ、24時からの恋人たち』
http://www.crest-inter.co.jp/torino24/index2.html
 監督のダヴィデ・フェラーリオは56年生まれ。映画批評家出身で、70年代末、『さすらい』(76)などを配給。その後、ジョン・セイルズ、スーザン・シーデルマン、ジム・ジャームッシュなどアメリカのインディ監督のエージェントに。最新作『プリモ・レーヴィの道 La Strada di Levi』(2006)は、『遥かなる帰郷』(96)の原作ともなった『休戦』(朝日新聞社)に基づく、プリモ・レーヴィの旅を扱う記録映画。
 『トリノ、24時からの恋人たち』、『プリモ・レーヴィの道』の音楽は「ナポリの怪人」「イタリアのザッパ」とも呼ばれるサックス奏者・作曲家のダニエレ・セペ(60年、ナポリ生まれ)。
 『プリモ・レーヴィの道』
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo/webform/SchedaEvento.aspx?id=171 
 ダニエレ・セペについての日本語記事
http://park11.wakwak.com/~elric/Elric_music_danielesepe.htm

 『フェリーニの道化師』のDVDはフランスMk2から出ています。イタリア語音声、フランス語字幕。以下で視聴可(121分とありますが実際は1時間28分)。
http://www.archive.org/details/clowns_fellini
 20分くらいの箇所に「魅惑のワルツ Fascination」と共にアニタ・エクバーグ登場。
 24分くらいの箇所にフェリーニ登場。27分すぎにエクバーグ再登場。34分すぎにフランスのサーカス史家トリスタン・レミ(1897−1977。著書「道化師たち Les Clowns」が『ある道化師の24時間』に登場)登場。続いて他のフランスの道化師たちと共にマイスの紹介。レミがアントネの逸話を語る。36分くらいにアントネとベビの芸(フランス語)の再現。アントネに扮すのはマイス。
 47分すぎ、ピエール・エテックスと、ギュスターヴ・フラテリーニ、および彼の娘アニー・フラテリーニ(『地下鉄のザジ』)登場。エテックス秘蔵の1924年のフラテリーニ兄弟の映画の上映会。壁には『Yoyo』のポスターも。しかし映写トラブルで見ることができない。代わりにアニーが往年の祖父らの絵を見せる。51分すぎ、フラテリーニ3兄弟の芸の再現。
 道化師の死を象徴する大団円の出し物、1時間12分くらいでマイス再登場。
 『フェリーニの道化師』ラストシーン(無字幕)。曲はロバート・マクスウェルの「ひき潮 Ebb Tide」(1953)。
http://jp.youtube.com/watch?v=GFIT66EP5Qc
 ピエール・エテックスとアニー・フラテリーニは、フィリップ・カウフマンの『ヘンリー&ジューン』(90)にも出ていますが未見です。

 20世紀初頭のヨーロッパのサーカス、道化等は本国でも時と共に忘れられていくようです。だから文化人類学的、大衆芸能史資料的な意味でも、メルヴィルの映画は貴重だと思います。
 映画の中でベビは本をひもときますが、ノゲイラ著『サムライ』によると、ベビは文盲だったので、図版を眺めるだけだったのでしょうか。それにしても昨今のTVバラエティ芸人と違って、国境、言語を越え、曲芸、楽器演奏、漫談までこなす往時のプロの芸人の芸域の幅には感嘆させられます。ここまで芸を究めるとなると、文盲であっても不思議はないのかもしれません。
 字が読めないベビはアフレコできなかったため、メルヴィルはベビの心象風景を代弁するヴォイスオーヴァー・ナレーションを自ら吹き込んでいますが、深夜のシルエットの男もあるいはメルヴィルなのでしょうか。3度登場するこの男のショットは、ヴォイスオーヴァーで仕上げることを決めた後に撮り足したものなのか。また無声で撮られたとのことですが、出し物の箇所のみ観客の歓声等が録音されているので、そこだけ最初から録音しておいたのか、ブロンベルジェの資金援助を受け、撮り足したものなのかどうか。
 エテックスの監督作は1本も見たことありません。No.681に記した、イオセリアーニの『ここに幸あり』(2006)では最初のショットにエテックスが出てきて感動しました。エテックスは本題とは無関係の冒頭の短い挿話のみの出演ですが。
 ピエール・エテックスの公式HP(英語版あり)
http://www.lesfilmsdetaix.fr/
 各種映像(フランス語。無字幕)。
http://www.lesfilmsdetaix.fr/gbvideo.html
 1番上。ジャン=クロード・カリエールに、自作長編5作が失われたことをアピールしつつ、5枚のコインを1枚ずつ消していく奇術を披露するエテックス。
 2番目。自作の修復・上映の権利が奪われていることを訴えるエテックス。
 1番下。2007年7月9日、パリ・シネマテークで修復版『Yoyo』を上映した際のエテックス。修復担当者のフランソワ・エデは、ジャック・タチ監督・主演の『新・のんき大将』(49)、『プレイタイム』新世紀修復版(67)の修復も手がけています。
 『新・のんき大将』(49)抜粋(無字幕)
http://jp.youtube.com/watch?v=ZSKzQGRYk0s
 エデは、ジェネオンから出た、チャップリンの『サーカス コレクターズ・エディション』DVD特典、エミール・クストリッツァ出演の『サーカスのドキュメンタリー Chaplin Today: The Circus』(2003)を演出しています。シネフィル・イマジカで4月10日放映。
http://cinefilimagica.com/movie/m4/004729.html
 エデは、『プレイタイム』についてのTV記録映画『Playtime Story』(2002。26分)も演出していますが、残念ながらCriterion盤(2枚組)等にも収録されていません。
 エデは、ミシェル・ピコリおよび、ピコリがリア王に扮した『リア王 Le Roi Lear』(2007)をオデオン座で演出した高名な演劇・オペラ演出家アンドレ・アンジェル(エンゲル)(46年生まれ)出演の『Citizen Lear』(2006。62分)をDVで撮っています。これはフランスで2007年9月29日のTV放映時に付けられた特番で、Arteから出た『リア王』DVDの特典。
 なおアンドレ・アンジェルは『男と女U』(86)に映画監督役で出演。ラウル・ルイスの『悪夢の破片 Shatterd Image』(98)、『見出された時−「失われた時を求めて」より−』(99)にも出演。
http://www.arte-boutique.fr/detailProduct.action?product.id=100997
 シネマテークの『Yoyo』修復版上映会では、館長のセルジュ・トゥビアナと2007年に再びシネマテーク会長になったコスタ=ガヴラス監督がエテックスを迎えました。以下の英語記事参照。
http://www.pariscinema.org/fr/direct/paris-cinema-live/ahmad31.html
No.1016 - 2008/04/01(Tue) 00:44:45
Re: 『フェリーニの道化師』ほか / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんにちは。
『フェリーニの道化師』他いろいろ情報ありがとうございます。
『フェリーニの道化師』については、国内ではDVDになっていませんが、レンタルビデオを見かけますので、今度借りてみようと思います。
それにしても、全編見られるサイトがあるなんて凄いですね。

ご指摘の通り、メルヴィルの『ある道化師の二十四時間』はブロンベルジェの製作への関わりを含めて何かと謎の多い作品ですね。
シルエットの男は確証はありませんが、私もメルヴィル本人っぽいな、と思っていました。

ピエール・エテックス関連の情報もありがとうございます。
ご紹介のサイトでエテックスの手品はもちろん、シネマテークの『Yoyo』修復版上映会の様子だけでも観られるのが貴重ですね。
フランソワ・エデの姿も見られますし。
ジャック・タチの『新・のんき大将』はDVDを所有しておりますので、また観てみたいと思います。
No.1017 - 2008/04/02(Wed) 17:42:50
「影の軍隊」DVD / 澤 [ Mail ]
マサヤ様。
初めて投稿いたします。メルヴィル監督作品を、好きな者です。毎週、貴HPを見て、楽しんでいます。「影の軍隊」は、昔(昭和50年代)テレビの深夜映画で一度みて強いショックをうけた作品です。S・シニョレの最後の表情が忘れられません。その後、レンタルビデオで、再見し、P・ムーリス、J・P・カッセルの役割に気づきました。
東北新社から出て廃盤になっていたDVDを昨年、入手しました。その後、廉価版が突如発売され、瞬く間に廃盤になったことを、貴HPで知りました。廉価版の字幕で、重大な誤訳があることも…。ネット・オークションでは、1500円で購入したものが、3500〜4500円で出品されている状況です。映画自体の価値を知らない、投機目的の輩の仕業と思われます。そんななかで、ほんとうに丁寧な、字幕や画質の評価、海外版DVDのこと、国内DVDの発売状況を知らせてくれる貴HP。ありがたく思って、観測しております。
No.1012 - 2008/03/29(Sat) 03:04:59
Re: 「影の軍隊」DVD / マサヤ@管理人
澤さん、はじめまして。
いつも拙HPを見ていただき、また書き込みまでしていただきましてありがとうございます。

昭和50年代に深夜のテレビで『影の軍隊』をご覧になったとのこと、さぞや感慨深いものがあったとお察しいたします。
ご存知のように『影の軍隊』のDVDは、昨年再発された新盤までが廃盤の憂き目にあっており、ファンとしてはやりきれない状況が続いています。
新盤はレンタルにも置かれていないようですので、観たい人が気軽に観られる状況に早くなって欲しいと思います。

ご承知のようにメルヴィル監督はとうの昔に故人であり、情報も必ずしも多いとは言えず、その上、なにぶん個人運営のHPということもあって至らない部分も多いかと思いますが、このHPを通じてファンの皆さんとさまざまな情報を共有できればと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
No.1013 - 2008/03/29(Sat) 14:09:53
『墓場なき野郎ども』 / Faux
 みなさん、こんばんは。
北米Criterionから6月に『墓場なき野郎ども』(60。クロード・ソテ)のDVDが発売されます。
http://forum.dvdtalk.com/showthread.php?p=8566400#post8566400

*HDデジタル新修復版。
*『Claude Sautet ou La magie invisible』(2003。演出・構成N・T・ビン、構成ドミニク・ラブルダン)抜粋。
*リノ・ヴァンチュラが自らのキャリアを語るアーカイヴ映像。
*オリジナル・フランス版予告編・米国版予告編。
*新・英語字幕付き。
*ベルトラン・タヴェルニエとN・T・ビンによる新エッセイおよびソテ・インタヴュー、ジャン=ピエール・メルヴィルによる賛辞の採録。

 N・T・ビン(グエン・チョン・ビン)は、1958年4月、パリ生まれ。「ポジティフ」誌編集委員。
 以下で『Claude Sautet ou La magie invisible』予告編および抜粋視聴可。
http://www.allocine.fr/film/fichefilm_gen_cfilm=48683.html

 ソテの亡くなる数ヶ月前に、N・T・ビンとラブルダンが行ったソテの17時間に及ぶインタヴュー音声を基に、ソテの13作品の抜粋および関係者の談話で構成。
 ラブルダンには『トリュフォーによるトリュフォー』(リブロポート。絶版)の著書があります。
 ラブルダン&ビンの編著『ソテによるソテ Sautet par Saute』(2005)もあります。
No.989 - 2008/03/15(Sat) 22:00:33
Re: 『墓場なき野郎ども』 / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんばんは。
『墓場なき野郎ども』のクライテリオン盤の発売情報ありがとうございます。
発売予定は三島の『憂国』など他にも楽しみな作品がいろいろですね。

『墓場なき野郎ども』はHDデジタル新修復版という画質はもちろん、ヴァンチュラのアーカイヴ映像などの特典映像も楽しみなので、これは是非買いたいと思います。
ご紹介の『Claude Sautet ou La magie invisible』予告編、抜粋も観ましたが、面白そうな内容ですね。
中で紹介されているミシェル・ピコリ、ロミー・シュナイダー出演の『はめる 狙われた獲物 MAX ET LES FERRAILLEURS』(70年。日本未公開、ビデオあり)も興味深いです。
No.991 - 2008/03/16(Sun) 01:20:37
クレリア・ヴァンチュラほか / Faux
 マサヤさん、こんばんは。
 アルテ放映のリノ・ヴァンチュラに関するTV番組『VENTURA dit... Lino』(97年。85分。演出クレリア・ヴァンチュラ、バベット・シ・ランダヌ)抜粋(無字幕)。
http://jp.youtube.com/watch?v=lA26NqwIpbQ
 出演:クロード・ピノトー、ノルベール・サーダ、クロード・ソテ、エドワール・モリナロ、ジョルジュ・ロトネール、ジョゼ・ジョヴァンニ、ミレイユ・ダルク、クラウディア・カルディナーレ、アルノン・ミルシャン、フランチェスコ・ローシ、ジャン=ポール・ベルモンド、シャルル・ジェラール、ロベール・アンリコ、マリー・デュボワ、セルジュ・レジャーニ、アニー・ジラルド、クロード・ミレール、オデット・ヴァンチュラ、ロラン・ヴァンチュラ、フランシス・ルー。
 ヴァンチュラの娘クレリア・ヴァンチュラ(61年生まれ)のTVインタヴュー(無字幕)
http://jp.youtube.com/watch?v=_INcuLcl9a4
 クレリア・ヴァンチュラは父リノの死亡時に26歳でした。2004年には『Lino Ventura: Une lecon de vie』(Marque-Pages)という本を刊行。2007年には『Signe: Lino Ventura』(Marque-Pages)を刊行。

 ところで、クロード・ミレール監督、リノ・ヴァンチュラ、ロミー・シュナイダー、ミシェル・セロー主演の日本未公開作『検察官 レイプ殺人事件』(81)は室内劇的ミステリの秀作です。
 音楽はジョルジュ・ドルリュー、撮影はブルーノ・ニュイッテン。原作はジョン・ウェインライトの『Brainwash』。ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、モニカ・ベルッチ主演で『アンダー・サスピション』(2000)としてリメイクされています。
 だいぶ前にBSで『検察官』の邦題で放映、アイ・ヴィ・シーから2000年に『レイプ殺人事件』の邦題でDVDが出て、2003年に『検察官 レイプ殺人事件』の邦題で再発されました。
 『検察官』抜粋(無字幕)
http://jp.youtube.com/watch?v=H5wyszSGDIk
http://jp.youtube.com/watch?v=xoB38osew0Q
No.992 - 2008/03/17(Mon) 23:37:57
Re: クレリア・ヴァンチュラほか / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんにちは。
『VENTURA dit... Lino』の情報ありがとうございました。
ご紹介のYouTubeを観ましたが、今度の『墓場なき野郎ども』に収録されるのが同じ映像だとしたらかなり楽しみです。
タイトルバックの映像が『ギャング』のワンシーンなのが嬉しいですね。
娘さんのクレリア・ヴァンチュラのインタビューも観ましたが、聡明そうな女性です。
『検察官 レイプ殺人事件』の情報もありがとうございます。
DVDを所有しておりますが、未見です。
今度観るのが楽しみです。
No.996 - 2008/03/19(Wed) 09:55:14
エルザ / Faux
 マサヤさん、こんばんは。
『検察官 レイプ殺人事件』には、7歳の「エルザ」ことエルザ・ルンギーニ(1973年5月20日、パリ生まれ)がカミーユ役で出ていたことを知りました。ちなみに彼女の母親役アニー・ミレールはクロード・ミレールの妻。
 『検察官 レイプ殺人事件』抜粋(無字幕)
http://jp.youtube.com/watch?v=aUpwiSwbIl4
 エルザは、俳優・ソングライター、ジョルジュ・ルンギーニと、画家で女優マルレーヌ・ジョベール(『男性・女性』、『雨の訪問者』)の姉妹にあたるクリスチャーヌ・ジョベールの娘です。
 エルザは13歳でトップ50のナンバーワン・ヒットを記録、17歳でオランピア劇場出演、いずれもフランスでの最年少記録とか。
 ジェーン・バーキン主演の映画『悲しみのヴァイオリン』の主題歌「哀しみのアダージョ T'en va pas」で歌手デビュー。同作にエロイーズ役で出演。
http://jp.youtube.com/watch?v=vPiYQ0FHtMQ
 日本では90年代後半、エドウィン・ソフトジーンズ「Something」のCMに使用。
http://jp.youtube.com/watch?v=0hY9RHvdYSM
 1987年に原田知世が「彼と彼女のソネット」として日本語カバー、日本語歌詞は大貫妙子。
 以下の日本語記事参照。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/64297
No.1004 - 2008/03/23(Sun) 21:37:26
Re: エルザ / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんばんは。
エルザ・ルンギーニの情報ありがとうございます。
『検察官 レイプ殺人事件』をようやく観たのですが、彼女の登場場面は少ないものの印象に残りますね。
映画そのものも、リノ・ヴァンチュラ、ロミー・シュナイダー、ミシェル・セローの演技が良く、見応えがありました。
日本盤DVDの画質は例によってアレでしたが…。(ご紹介のYouTubeの方がキレイに見えます…)

エルザの「哀しみのアダージョ T'en va pas」も、私も聞き覚えがあるくらいですから、かなり日本でもヒットしたのでしょう。
ご紹介の日本語記事を見ますと、かなりの数の日本語カバーがされたようですね。
No.1006 - 2008/03/24(Mon) 21:11:06
『死への逃避行』 / Faux
マサヤさん、こんばんは。
 クロード・ミレール監督、イザベル・アジャーニ、ミシェル・セロー主演の『死への逃避行』(83)のDVDは2006年にデックスエンタテインメントから出ています。これも一部でカルト的人気のある作品のようです。
 原作は『シャレード』や『HELP!四人はアイドル』の脚本に参加したマーク・ベイム(25−07)の『氷の接吻』(ハヤカワ文庫、2000)。撮影はピエール・ロム、音楽はカーラ・ブレイ・バンドです。
 アジャーニは連続殺人を犯す魔性の女、セローは彼女を追い続ける探偵の役。
 『死への逃避行』予告編(無字幕)
http://jp.youtube.com/watch?v=0XHg7Oz15qw
 『死への逃避行』抜粋(無字幕)。ステファヌ・オドラン出演。
http://jp.youtube.com/watch?v=IM9K7rXX8MI
 『死への逃避行』抜粋(英語字幕。画質悪いです)
http://jp.youtube.com/watch?v=ITsC8R41mFk

 ステファン・エリオット監督、ユアン・マクレガー、アシュレイ・ジャド主演の『氷の接吻』(99)としてリメイクされています。
 未見ですが、予告編を見るかぎり『死への逃避行』のほうが魅力的に見えます。
 『氷の接吻』予告編(無字幕)
http://jp.youtube.com/watch?v=kEMjHaxX2X8
 
 トリュフォーの直弟子にあたるミレールの代表作は、長編第一作のパトリック・ドヴェール、パトリック・ブシテー(後にブコウスキー原作『つめたく冷えた月』を監督)、クリスティーヌ・パスカル(『不倫の公式』を監督後、96年に自殺)共演『一番うまい歩き方 La Meilleure facon de marcher』(76。撮影ブルーノ・ニュイッテン)と第二作のジェラール・ドパルデュー、ミウミウ共演『愛していると伝えて Dites-lui que je l'aime』(77。撮影ピエール・ロム)ということになるのでしょうが、いずれも日本未公開。
 『一番うまい歩き方』予告編(無字幕)。北米Wellspringから2005年にDVDが出ています。
http://jp.youtube.com/watch?v=yS9wm4XueVw
No.1010 - 2008/03/26(Wed) 01:38:43
Re:『死への逃避行』 / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんにちは。
『死への逃避行』他の情報ありがとうございます。
ご紹介のYouTubeを観ましたが、面白そうな映画ですね。
アジャーニの映画はトリュフォーの『アデルの恋の物語』の他はほとんど観ていませんが、これは機会があれば観たいです。
ステファヌ・オドランの姿はちょっとショックでしたが…。

『氷の接吻』の情報もありがとうございます。
アシュレイ・ジャドはちょっと“気になる”女優の一人ですが、ユアン・マクレガーは雰囲気があまりサスペンスに合わない気もします…。

クロード・ミレール監督はシャルロット・ゲンズブール主演の映画の前にもいろいろ映画を撮っていたんですね。
No.1011 - 2008/03/27(Thu) 11:13:06
モンパルナス ドロンのテレビ異聞 / 影
管理人さんの サムライ紀行は楽しく拝見しました。

それにしても映画のコースをよく分かりましたね。感心

メトロの駅の名前など 何回もパリは行かれたのかなーー。

見処の陸橋は残念でしたね、パリは東京の様に様代わりしないので その内にチャンスを、

オルセーも行かれたのですね、私はルーブルへ3回 でも

とても全部はね、美術館は1週間は必要。

モンパルナスのバンバンの交差点のキャフエーはよくご存知ですね 私もデゥマゴ,フロール、ドーム 特にドームは私
のお気に入りです、。

所でドロンが世界のどっきりカメラ(フジテレビ)3月に

放映されて ブラビもドロンも騙されてましたが、ドロンの
ドッキリはイタリヤの局でしたか?無視されて ドロンが
最後にドッキリだと分かり少し怒り気味?

スタッフに殴るまねをしてましたが冗談でしょう、。

それにしても騙されながらも カッコイイーですね。相変わらず。

皺は増えても若い、動きが伯父さんではない、見習おう。
No.1005 - 2008/03/24(Mon) 14:44:18
Re: モンパルナス ドロンのテレビ異聞 / マサヤ@管理人
影さん、こんばんは。
ブログの「サムライ紀行」読んでいただきありがとうございます。
パリは初めてでしたが、ある程度映画のコースを予習して行ったので、ジェフの足取りをなんとか辿ることができました。
影さんはルーヴルに3度行かれたのですね。
オルセーは2回、ルーヴルは1回だけ行きましたが、それぞれあと数回は行きたかったですね。
他にはモネの睡蓮が見られたオランジュリー美術館が良かったです。
あと、デゥマゴには行きましたが、影さんお気に入りのドームには行けませんでした。
また機会があれば是非。

ドロン氏が出演されたというどっきりテレビは見逃しましたが、シャレにならないとドロン・ファンの間ではあまり評判がよろしくないようで…。
パリでドロン氏の舞台も観ましたが、年齢を感じさせない若さでした。
No.1007 - 2008/03/24(Mon) 21:21:06
リスボン特急 / マッドレー [ Mail ]
はじめまして、マッドレーと申します。
子供のころ映画音楽が好きで、いりいろなサントラ盤をテープに撮って聞いていました。その中でもリスボン特急のエンディングだと思いますが、巻き舌が印象的なイザベル オーブレと言う人の歌う歌が、今どーしても車の中で聞きたいのですが、アマゾンなどで調べてみましても、売っているのか?廃盤なのか?オムニバス盤などで聞けるのか?良くわかりません。あんなに良い歌なのに、、どうかお教えくださいませ。
No.994 - 2008/03/19(Wed) 00:25:45
Re: リスボン特急 / Faux
 マッドレーさん、はじめまして。
  ミシェル・コロンビエ作曲、シャルル・アズナヴール作詞、イザベル・オーブレ歌の「C'est ainsi que les choses arrivent」は、コロンビエのアンソロジー『Colombier Dreams』(2002)に入っていますが廃盤のようです。
 残念ながら以下のコロンビエのサイトでも試聴できません。仏語ですがステファヌ・ルルージュのライナーが読めます。
http://www.michelcolombier.com/works/discography/dreams.htm#Liner%20notes%20by%20Stéphane%20Lerouge
 アマゾンに中古が出ています。
http://www.amazon.co.jp/Dreams-Michel-Colombier/dp/B000063LJ4
 『リスボン特急』サントラ盤
http://www.soundtrackcollector.com/catalog/soundtrackdetail.php?movieid=22724
 歌詞は以下も参照。
http://melville.nomaki.jp/unflic.html

仏語歌詞
Chacun de nous est seul
Sur l'autre rive
Du fleuve trouble des passions
Pour voir partir à la dérive
Ses illusions
Adieu ce qui fut nous
Vive que vive
Le destin a tiré un trait
C'est ainsi que les choses arrivent
Arrivent
Voici venir le temps des regrets

C'est ainsi que les choses arrivent
Quand tout nous glisse entre les doigts
Que tout ce meurt
Seules quelques questions survivent
A qui la faute, à toi ou moi?
D'où vient le mal
D'où vient l'erreur?

Mon coeur vivra sans toi
Des aubes ternes
L'amour a déchiré l'amour
Et mit tout nos espoirs en bernes
Pour de longs jours
Et tu n'es plus qu'un point
Que mes yeux suivent
Et voient se perdre peu à peu
C'est ainsi que les choses arrivent
Arrivent
Sans une larme et sans adieu
No.995 - 2008/03/19(Wed) 01:05:32
Re: リスボン特急 / マサヤ@管理人
マッドレーさん、はじめまして。
当サイト管理人のマサヤと申します。
『リスボン特急』のエンディング・テーマについてのご質問ありがとうございました。
すでにFauxさんが詳しくお答え下さったように、現在廃盤のようなのが残念ですね。
ジュリアンさんのブログ「サントラがいっぱい」にも関連の記事があります。
http://blogs.yahoo.co.jp/k1f2a3185914/folder/1643533.html?m=lc&sv=%A5%EA%A5%B9%A5%DC%A5%F3&sk=0
No.998 - 2008/03/19(Wed) 10:20:43
Re: リスボン特急 / マッドレー [ Mail ]
管理人様、Faux様 ご丁寧に有難うございました。
やはり、少々苦労しないと入手は難しそうですね、そうと
分かれば腰を据えて気長に探してみたいと思います。
なにせ、30年近く前テープが切れるまで聞いていたものでして、仕事中も乗ってきますといい加減な言葉と巻き舌で歌ってしまいます。非常に変ですが!
またちょくちょく拝見させていただきます。
ありがとうございました。
No.999 - 2008/03/19(Wed) 18:03:36
ピエール・ブロンベルジェ / Faux
 みなさん、こんばんは。
  『海の沈黙』のプロデューサー、ピエール・ブロンベルジェ(1905−90)は、ヌーヴェル・ヴァーグの生みの親というべき人物です。DVD『アラン・レネ/ジャン=リュック・ゴダール短編傑作選』もブロンベルジェ製作短編のコレクションです。
 ジャン・ルノワールの初期作品や、アラン・レネの短編、ジャン・ルーシュ作品などに加え、ヌーヴェル・ヴァーグの最初の作品ともいわれるクロード・シャブロル製作、ジャック・リヴェット監督、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ主演の短編『王手飛車取り』、ヴァルクローズ監督の『唇(くち)によだれ』、トリュフォーの『ピアニストを撃て』、ゴダールの『女と男のいる舗道』の製作者として有名。寺山修司の『草迷宮』を含むオムニバス映画『Collections privees』も製作しています。北米Rykoから2007年に『Private Collections』のDVDが出ましたが、日本語音声の『草迷宮』には英語ナレーションがかぶるようです。
 ピエール・ブロンベルジェ『シネマメモワール』(白水社)は貴重な証言満載です。

 『女と男のいる舗道』でアンナ・カリーナをアパートから追い出す管理人のおばさん役がブロンベルジェ夫人のジゼル・オシュコルヌです。
 『女と男のいる舗道』は、子供を流産し、不妊になったカリーナが撮影中に自殺未遂を企てたりしたため、ゴダールが、夜中に街をうろついたあげく、メルヴィルやボルガールにたびたび「自分は死ぬ」と訴えたりしていたという逸話もあります。
 『女と男のいる舗道』の頃、ゴダールはメルヴィルに迷惑をかけつつ、自分がメルヴィルのファンであることを強調し、「ボブ・モンタニエ(賭博師ボブのこと)の生まれたところで、僕は妻を死なせる」と言ったとか。『勝手にしやがれ』にも「友人のボブ・モンタニエ」というセリフがありましたが。アンナ・カリーナは自分が最後に無惨に殺される役だったので、よけいゴダールと不仲になったようです。
 この頃、荒れたゴダールは自宅のTVを壊し、服を切り裂いたそうですが、この実話がリヴェットの『狂気の愛』で、演出家役のジャン=ピエール・カルフォンと女優役のビュル・オジェの夫婦が服を切り裂き、部屋を壊す挿話の元ネタになっています。この辺のゴシップはコリン・マッケイブの『ゴダール伝』(みすず書房)には出てきませんが。

 『王手飛車取り』は国内ソフトでは『美しきセルジュ』DVDに収録されています。最後のパーティ場面にトリュフォーとゴダールが出ています。
 撮影はシャブロルのアパートで行われました。ちなみに『シャルロットとジュール』の撮影はゴダールのアパートで行われました。
 『王手飛車取り』の原題はチェス用語の「フールズ・メイト(愚者の詰み)」のこと。最短で負ける手のことです。
 山田宏一氏のブロンベルジェ・インタヴューによるとメルヴィルとアラン・レネもちらっと出ているとのことでしたが、画面を見るかぎり確認できません。
 『王手飛車取り』のストーリーは有名な小話で、デュヴィヴィエの『フランス式十戒』にも同じ挿話(現行版の第2話。主演フランソワーズ・アルヌール、クロード・ドーファン、ミシュリーヌ・プレール)があります。
 またヒッチコック演出のTVドラマ「ヒッチコック劇場」の『女性専科第一課 中年夫婦のために』は、原作がロアルド・ダール『ビクスビイ夫人と大佐のコート』ですが、ほぼ同じ話です(DVD『ヒッチコック劇場 第二集1』に収録)
http://www.universalpictures.jp/sp/1500/no11/5.html
 以下の英語記事も参照。
http://www.snopes.com/love/betrayal/minkcoat.asp
No.981 - 2008/03/11(Tue) 21:31:30
Re: ピエール・ブロンベルジェ / 管理人@マサヤ
Fauxさん、こんにちは。
ピエール・ブロンベルジェの情報ありがとうございます。
さっそく手元にある山田宏一氏によるブロンベルジェのインタビュー(「わがフランス映画誌」平凡社刊)を読み直してみましたが、実に興味深い話ばかりですね。
これまであまり観ていないジャン・ルノワールの初期作品にも興味が出てきました。
『王手飛車取り』は未見ですので、内容を確認できませんが、お話を聞いてDVDが欲しくなりました。
『唇によだれ』はゲンズブールの音楽とモノクロ映像が印象に残っています。
『女と男のいる舗道』の裏話もありがとうございます。
映画の出来は素晴らしいですが、ゴダールとカリーナの間にそんな厳しい事情があったのですね。
あの映画はしばらく見直していませんが、そんな事情を踏まえて観れば、また印象が変わるかもしれません。
ブロンベルジェの製作ではありませんが、ゴダールといえば、先日ロメールの短編『紹介またはシャルロットとステーキ』を観ましたが、なんと20歳のゴダールが主演した映画でした。
No.983 - 2008/03/12(Wed) 11:00:29
ジャッキー・レナルほか / Faux
 マサヤさん、こんばんは。 No.495で言及した韓国盤DVD『Their First Films』はAlto Mediaから2004年5月7日に発売されましたが、廃盤のようです。英語字幕付き。
 収録作は、『ある道化の人生の24時間』(46。メルヴィル。18分)のほか、『愛は存在する』(映画祭題。61。モリス・ピアラ。19分。カラー)、『スチレンの唄』(57。アラン・レネ。14分。カラー)、『シャルロットとジュール』(58。ゴダール。13分)、『王手飛車取り』(56。リヴェット。27分)、『水の話』(58。トリュフォー&ゴダール。12分)、『Le Laboratoire de l'angoisse』(71。パトリス・ルコント。11分。カラー)、『Les Surmenes』(監督ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ。19分。脚本にトリュフォー参加。出演、ジャン=クロード・ブリアリ、ジャン=ピエール・カッセルほか。音楽ジョルジュ・ドルリュー)。特に最後の2本はこのDVD以外で見る機会はほとんどなかったようです。
 英語レヴュー
http://www.dvdbeaver.com/film/DVDReviews5/theirfirstfilms.htm

 『Les Surmenes』のメイク担当ジャッキー・レナル(40年生まれ)は、アンナ・カリーナの『今夜でなきゃダメ Ce soir ou jamais』、『女と男のいる舗道』、『修道女』、『アンナ』のメイク担当。マーロン・ブランド主演の異色作『私は誘拐されたい』(68)のメイクも手がけています。編集技師としては、ロメールの『モンソーのパン屋の女の子』、『シュザンヌの生き方』、『エトワール広場』(『パリところどころ』の一編)、『コレクションする女』を担当。
 1964年にエチエンヌ・ベッケル、パトリス・ヴェルスと共同で、モダン・ダンスの振付師マース・カニンガムのフランス公演を撮った記録映画『マース・カニンガム Merce Cunningham』(29)を監督。
 その後、実験映画の監督としてバルセロナで9日間で撮った『2回 Deux fois』(69。72分)ほかを主演・監督。
 1999年にアンジェリカ・フィルム・センター創設者で、アイヴォリーの『野蛮人たち Savages』(72)の製作総指揮者ジョーゼフ・サレー(1934年、イランのハマダン生まれ。2007年4月18日、パリにて没)と結婚。(アンジェリカは彼の前妻の名)。
 『2回』のDVDは、2006年にフランスのRe:voirから出ていますが未見です。英語字幕付き。同DVDの特典には、『新・個人教授』(73)の映画作家ジャック・バラチエ(18年生まれ)に関する記録映画『バラチエをめぐって Autour de Baratier』(2005。ジャッキー・レナル。24分)が付いており、ジャン=ポール・ベルモンド、ベルナデット・ラフォン、ビュル・オジェ、スペインの前衛劇作家フェルナンド・アラバールが出演しているそうです。
 ジャック・バラチエの『Dragees au poivre』(63。撮影アンリ・ドカ、編集ネナ・バラチエ。93分)にはベルモンド、アンナ・カリーナ、シモーヌ・シニョレ、フランソワ・ペリエ他多数のスターが出演、SM映画『Piege』(68。38分)にはラフォン、オジェ、アラバールが出演していますが共に未見。
 『2回』の編集担当のネナ・バラチエは『ある夏の記録』の編集にも参加、記録映画『La femme volee』(80)、『Le repas des ancetres』(94)、『Sarcelles,1997 apres J.C.』(97)などの監督作があるようですが、ジャック・バラチエの妻だったそうです。
 ロメールの『木と市長と文化会館』(93)から『アストレとセラドンの恋』(2007)までの撮影監督ディアーヌ・バラチエ(63年生まれ)はジャックの娘です。
No.984 - 2008/03/12(Wed) 23:20:23
Re: ピエール・ブロンベルジェ / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんばんは。
『Their First Films』、ジャッキー・レナルの情報他ありがとうございます。
『Their First Films』はずっと欲しいのですが、なかなか安く市場に出ないですね。
そこで、手持ちの『ある道化の人生の24時間』収録のロシア盤DVD(ロシア語によりタイトル記載不能)を確認してみたのですが、内容は『ある道化の人生の24時間』(メルヴィル)、『男の子の名前はみんなパトリックっていうの』(ゴダール)、『Le Laboratoire de l'angoisse』(ルコント)、『Les Surmenes』(ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ)の4作品でした。
ロシア語の字幕、吹き替え付きですが、英語字幕はありません。
画質は極めて良好です。

『Les Surmenes』は今回初めて観ましたが、言葉は分からなくとも映像は魅力的でした。
ドルリューの音楽、ヒロインの女性が良いですね。
あと、収録時間がどういうわけか23分もありました。

ジャッキー・レナルはロメールの初期作品の編集技師だったのですね。
最近ロメールのそのあたりの作品を観直しましたので、興味深いです。
アンリ・ドカ撮影、豪華キャスト出演というジャック・バラチエの『Dragees au poivre』は観てみたい作品です。
また、ロメールの最近作の撮影監督ディアーヌ・バラチエはジャック・バラチエの娘だったのですね。
No.985 - 2008/03/14(Fri) 00:47:28
『疲れきった人々』 / Faux
 マサヤさん、こんばんは。
『疲れきった人々 Les Surmenes』(57)は、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ監督作品。脚本はドニオル=ヴァルクローズ、ミシェル・フェルモー(『恋愛日記』の脚本にも参加)、フランソワ・トリュフォー。撮影はジャック・ルテリエ。音楽はジョルジュ・ドルリュー。

 ナレーション(モニク・ショメット)「カトリーヌは20歳まで平穏に生きてきた。郊外の小さな町で起きた二つの出来事が彼女の純朴な生活を変えた。リムザンのタイプ・コンテストで優勝。夏休みに、パリで秘書をしている姉の若い上司との出会い。彼らは惹かれ合い、婚約した。カトリーヌは故郷の田舎町を捨て、パリ行きの列車に乗り、婚約者の会社のタイピストになることにした」。
 列車のカトリーヌ(ヤンヌ・バリ)は隣りに座った青年ジミー・ブランクール(ジャン=クロード・ブリアリ)に口説かれる。彼はビックリ箱の蓋の裏に勤務先と自宅の電話番号を彼女に渡す。
 パリに着いたカトリーヌは姉ソランジュ(シャンタル・ド・リュー)と義理の兄で植字工主任のエチエンヌ(ジャン・ジュイヤール)の部屋に転がり込む。婚約者のベルナール・バルダン(ジャン=ピエール・カッセル)も彼女を迎える。
 彼女はパリでの最初の夜から現代生活に夢中になる。エチエンヌは毎晩午前4時に帰り、4時間しか寝ていない。彼の朝の日課はジョギングだ。
 彼女の上司はファルミネ氏(ユベール・デシャン)だ。彼はベルナール・バルダン(職場の最初の場面で「アール」紙を読んでいる)の仕事上のパートナーだ。
 カトリーヌは最初のうちはベルナールと楽しく過ごすが、やがて仕事熱心な彼は夜、付き合ってくれなくなる。彼女はジミーに電話し、彼と踊りに行く。彼女は夜遊びを覚え、朝帰りするようになる。一方、エチエンヌは過労によるストレスから食欲もなくし、苛立つようになる。やがてカトリーヌはジミー以外の男とも遊びに行くようになる。
 ある日、ベルナールはカトリーヌに『処世術』という本を渡し、そこに君の秘密が書いてあると言うが、彼女にはまったく理解できない。
 一方、エチエンヌの過労は限界に達し、勤務中に倒れる。同僚(リュック・アンドリュー)が彼を家に送り届ける。翌日、ソランジュは医者(ジャン・グリュオー)を呼ぶ。
 パリに来て2か月、カトリーヌは勤務怠慢でファルミネ氏に怒られる。彼の横にはベルナールが立っているが、彼女のことを弁解してくれない。彼女は落ち込み、反省する。ベルナールも彼女が立ち直るのを手伝うと約束する。二人は和解のキスを交わす。
 翌日の夜、カトリーヌはベルナールと踊りに行く。ナレーション「数週間後、カトリーヌはベルナールと結婚した。だが彼女はある秘密を知ることに」。
 以前に貰った本の秘密を聞いたカトリーヌに、ベルナールはラ・フォンテーヌの「農夫と子供たち」の教訓に基づく策略だったと答える。農夫は子供たちに畠に宝が埋まっていると言うが、実は、宝とは農作業そのものだった。
 
 カトリーヌ役のヤンヌ・バリは『男と女』(66)のジャン=ルイ・トランティニャンの前妻役、『男と女U』(86)にも出ています。ジャック・ドレーの『Le Gigolo』(60)でもブリアリと共演。
http://dvdtoile.com/Filmographie.php?id=34113
 ユベール・デシャンは『死刑台のエレベーター』(58)にも出ていますが、『地下鉄のザジ』(60)のテュランド役、『鬼火』(63)のダヴェルソー役。
 モニク・ショメットはフィリップ・ノワレの妻。
 ジャン・グリュオーはトリュフォーの脚本家。
No.986 - 2008/03/14(Fri) 04:17:28
Re: 『疲れきった人々』 / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんばんは。
『疲れきった人々』の内容の情報ありがとうございます。
これを参考にまた観直してみようと思います。
カトリーヌ役のヤンヌ・バリの情報もありがとうございました。
なんと『男と女』のジャン=ルイ・トランティニャンの前妻役が彼女でしたか。
ブリアリと共演しているというジャック・ドレー監督の『Le Gigolo』も機会があれば観たいものです。(アリダ・ヴァリも出ているようですね)
No.987 - 2008/03/14(Fri) 23:52:48
『ある訪問』ほか / Faux
 マサヤさん、こんばんは。ヤンヌ・バリは以下のサイトによると、本名クリスチャーヌ・ベナシル。1936年7月31日、ヌイイ=シュル=セーヌ生まれ。
http://www.lesgensducinema.com/biographie/BarryYane.htm

 『Les Surmenes』のジャン・ジュイヤールは、『相続人』ではルネ・アリエと共に社長役。マリー・ラフォレ主演の『金色の眼の女』(61)にも出演。『黙って抱いて』ではビストロの酔客役。
 リノ・ヴァンチュラ主演、ジャン・ドゥセイ共演の『125 Rue Montmartre』(59)にも出演。
  フランス盤『125 Rue Montmartre』DVDレヴュー(フランス語)
http://www.dvdclassik.com/Critiques/125-rue-montmartre-dvd.htm
 『125 Rue Montmartre』は1959年5月25日から7月12日にかけて撮影されました。つまり『獅子座』や『勝手にしやがれ』直前のパリ・ロケーション撮影が見られます。助監督にジャック・ドレーが就いています。興味ありますが未見です。
 撮影のジャック・ルマール(12−88)は、ルノワールの『ゲームの規則』の撮影助手の一人で、エディ・コンスタンティヌのレミー・コーションものの撮影で知られ、『アデュー・フィリピーヌ』に撮影風景の出てくるTVドラマ『Montserrat』(60)の撮影も手がけています。

 話は変わりますが、トリュフォーの16ミリ初監督作『ある訪問 Une Visite』(54)は、「カイエ・デュ・シネマ」編集長だったジャック・ドニオル=ヴァルクローズのアパートで撮影されました。ドニオル=ヴァルクローズの2歳になる娘フロランスも出演。撮影はジャック・リヴェット。編集はアラン・レネ。製作はトリュフォーの親友ロベール・ラシュネ。
 出演は、「カイエ」の批評家で、『終電車』にも出ている(製作管理も)ジャン=ジョゼ・リシェール、フランシス・コニャニ、トリュフォーの当時の恋人ローラ・モリ。
 『ある訪問』は、1982年4月に東京でぴあ主催の映画祭「フランソワ・トリュフォー全集」において「世界初公開」されました。
 フランシス・コニャニは『大人は判ってくれない』、『ピアニストを撃て』、『女は女である』、『アデュー・フィリピーヌ』、『小さな兵隊』、『青髭』の助監督。
 ジャン=ジョゼ・リシャールは『Les Surmenes』のセカンド助監督で、『唇によだれ』、『夜霧の恋人たち』、『暗くなるまでこの恋を』の助監督です。トリュフォー脚本、クロード・ミレール監督の『小さな泥棒』、同じくミレール監督の『伴奏者』、『オディールの夏』の製作者です。
No.988 - 2008/03/15(Sat) 01:08:41
Re: ピエール・ブロンベルジェ / マサヤ@管理人
Fauxさん、こんばんは。
ヤンヌ・バリの情報ありがとうございます。
『125 Rue Montmartre』にも出演しているのですね。
この作品のDVDパッケージはヴァンチュラの「手」が印象的で見覚えがあります。
ご紹介のレビューでは『マンハッタンの二人の男』にも言及しているようですね。

トリュフォーの『ある訪問』の情報もありがとうございます。
一応トリュフォー作品は全部観ましたが、この作品だけはさすがに未見です。
日本で「世界初公開」されたというのも凄いことですね。
ご指摘のクロード・ミレール監督作品では『小さな泥棒』だけ観ています。
No.990 - 2008/03/16(Sun) 01:11:14
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