自他の境界が曖昧になっているというのは、自分と他者との境界線が分からなくなっている状態のことを指します。 自他の境界が曖昧な人は、複雑なトラウマがあるか、生まれつき発達障害(アスペルガー、ADHD)の傾向があり、ちょっとしたことでも生理学的な防衛反応に入りやすく、感覚過敏と感覚鈍磨の症状を持っています。 感覚過敏が出ているときは、心身が過剰に反応して、不快感を強く感じます。感覚鈍磨が出ているときは、〜略〜現実感が乏しくなると、この世界がぼやけて見えて、妄想や空想に耽るようになり、どこまでが事実で、どこからが妄想かという境界が曖昧になります。
感覚過敏が強く出ている人は、他人の拒絶や批判されただけで、もの凄く不快に感じて、自己が崩壊してしまうぐらい自他境界がありません。 通常の人と比べて、自分を守るバリアが薄く、不快感を強く感じてしまうため、激しく傷ついて、被害者になり、周りを巻き込むトラブルメイカーになることがあります。 一方、心地良さを感じさせてくれる他者を求めて、融合的な同一化した状態を望みます。心地良さを感じさせてくれる相手には、深入りしすぎて、ぐっと侵入してしまうとか、悩んでいる人がいたら深く入って共感してしまいます。
トラウマケア専門こころのえ相談室 論考井上陽平 一部抜粋 --------------------------------------- 自他の境界って何?境界が曖昧だとどんな関係もうまくいかない
人の問題を自分のせいのように感じる 人に口出しや手出しをしたくなる 「自分がなんとかしなきゃ」と思う 自分がもっと頑張れたら…などと後悔する 人に起こっている問題に対して「自分があのとき〇〇したせいかも?」と思ったり「なんで〇〇しないの!?」と批判したくなったり、必要のないところで手を貸す、自分が責任を負いすぎる……といったことが特徴的です。
「人」と「自分」の境界線がしっかりと引けていない場合、同一化というものが起こるのでさまざまな悩みや問題が生じるようになります。
「自分のせい?」と思ってしまう 「自分が何とかしなきゃ」と思ってしまう 「一緒に悲しむ・苦しむほうがいい」と思ってしまう 「嫌われたくない」と強く思ってしまう
自他境界が曖昧であればあるほど、人と不自然な関係を築きやすく、悩みやすいといえます。
人と自分の感情を分けることが苦手な人は、誰かが落ち込んでいると自分も一緒に落ち込んでしまったり、誰かが苦しんでいると自分も苦しくならなければいけないような気持になって、自分を追い詰めてしまうことがあります。 「嫌われないように自分が努力したり、行動を変えたりすることで、人の気持ちをコントロールできる」と思っているのが、自他の境目を乗り越えてしまっている状態です。
自他の境界が曖昧になってしまう理由は、ほどんどの場合幼少期の親子関係にあるとされています。
親子関係は、人格を築く一番大きな要素です。過剰に干渉されるような親子関係だったり、親が強くて子供が弱いといった関係性である場合に起こりやすいです。 ただ、日本の多くの家庭で親から子供へ境界への「侵入」がされていると感じます。どの家庭でも、当たり前のようにされているんです。 親の感情に子供が振り回されたり、親が子供を「自分の分身」「自分の所有物」と思い続けていると、どんどん問題が根強くなっていきます。 「自分」を守るために、子供を支配してしまうという構図が根強くあります。これは社会的な風潮や日本の独自の価値観が深く関係しています。毒親という言葉が流行し、悩んでいる人が多いという現況も、この境界線の話に通じています。
kandouya ネガティブの原因 自他の境界って何?境界が曖昧だとどんな関係もうまくいかない より抜粋 No.11509 - 2022/09/29(Thu) 09:49:57
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